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あの後
きんとき様はなかむ様からお呼びが掛かり王座の間へ向かった。
私もお供します、と言ったのだが
まだ休んでて、とベッドへ再び寝かされてしまった


静まり返った医務室。


そういえば、きりやん様もいない

てか、さっきの出来事を考えると誰もいなくて良かったと思う。

でも、なんだか今は一人になるのがとても不安で。
それはきっと、私が暗殺者だと知っている人間がいる可能性が高く其奴が誰だか炙り出せていない事にあると思う



……あれ。待って。

…もしかしなくても、今、
其奴にとって、私を殺.す最大のチャンスなのでは…?



ふと、そんな思考が頭をよぎる。




『…………ッ⁉︎』




それと同時に、医務室に誰かが入ってくる気配がした
その足音は確実に私がいるベッドの方へ近付いてくる。

私はいつでも逃げられるように、
片手をナイフがすぐ取り出せる位置へ移動させた。


やがて、シャー、と仕切りが横にスライドすれば
医務室へ入ってきた人物が顔を出した




『………シャークん様?』




シャークん様は、私を見れば眉間に皺を寄せる。

え、なんか、怒ってるように見えるのは気のせいですか?




「…お前さ」


『はい』


「馬鹿だろ」


『………はい?』




突然来て医務室で寝てる人に掛ける言葉じゃないですよそれ。

なんて、勿論そんなことは言わないけれど
なんで私は馬鹿呼ばわりされなければいけないんだ、と
今度は私の眉間に皺が寄る。




「お前の実力が高いのは知ってる。
けど、俺は……お前は戦闘には向いてないと思う。」


『…なぜですか』


「だってお前、自分のこと大事にしないじゃん」


『…え、』


「お前はもう団を抜けてるし、きんときの指示通り動けば良いから、そこは自由だけどさ。

…俺は、
自分を大事にしない奴に剣を持つ資格はないと思ってる。

だから、お前はもう、戦わなくていい。」




何を言われるのかと思えば、戦わなくていい?
そんな事、できるわけないのに。

私は確かに、タヒんだっていい。そんな気持ちでいつも人を斬る
だってタヒんでも生きても、どうだって良かったから。
それはきっと今も変わって………ない、はず

タヒぬ事を考えれば頭をよぎるのは、きんとき様のこと
だけどきんとき様にとっては、私はただの側近。

勿論代わりはいくらでもいるし
私じゃなきゃダメなんて事はない


命に変えても彼を守れれば、私はそれでいい。


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作品ジャンル:恋愛
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ゆー(プロフ) - 伊達猫さん» 素敵なコメントありがとうございます‼︎ぜひ最後まで楽しんで下さいませ! (2022年6月2日 0時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
伊達猫(プロフ) - 新作おめでとうございます!初コメですが、krさんの小説から来ました!またテイストの違う内容なので、これからが楽しみです!頑張ってください! (2022年5月29日 6時) (レス) @page4 id: f609931830 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆー | 作成日時:2022年5月29日 3時

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