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「A！お前まじすげーよ！数分も保つなんて！」
『負けは負けですよ』
「でもさ！左頬に擦り傷まで与えてたじゃねーか！
あれにはシャークん様も吃驚しただろうなあ！」
『…シャークん様？』
「え、え？お前知らないで闘ってたのかよ！
騎士団長様の名前だろ？
シャークん様は一人で敵陣の部隊を壊滅させた事もある戦闘狂の異名を持つ大変優れたお方だ」
『………へえ。』
戦闘狂のシャークん。
名前は聞いた事がある。それこそなかむ国王が率いる5人の幹部の一人だ。
それにしても、私の攻撃が擦り傷程度で終わるなんて。
さっきの出来事を思い返せば
ブワッと羞恥心が襲った。
ろくに男と関わってこなかったから、こうなるんだ…
と、捨てようとしても捨てきれない女である事実を初めてこんなにも憎たらしく思った。
＊
『失礼します』
言われた通り、騎士団長の部屋に訪れた私は
意外にも殺風景な部屋をまじまじと見渡した。
「A、こっち」
指された場所はふかふかそうなソファ。
指示通り腰掛けると
彼はまた嬉しそうにする。
「Aは何の為に此処にきた？」
『この城に尽くす為です』
「城の為なら命を捧げると誓えるか？」
『勿論です』
スラスラと出てくる嘘はもはや職業病ともいうべきだろう。
表情ひとつ変えず嘘を吐き出す私は客観視すれば恐怖すら覚えると思う。
ふーん、と呟く彼は静かに立ち上がり
私の手を引いた。
『えっ、ちょ、』
ボフッとベッドに投げ入れられれば、手首を拘束される。
背中には私を包み込む布団が広がっている。
「嘘吐きにはわからせないといけないからな」
私に覆い被さる彼の眼は
深緑より黒が全体を占めていた。
訳がわからない。
何故私の言葉が嘘だとバレたのか。未だに信じられなかった。
「なぁ、どうしたら本当の事吐いてくれんの？」
そう言いながらも、することは決まってる、と言いたげな彼の行動はまさしく私を女にさせるものだった。
あの時と同じように私に軽い口づけをする。
その行動範囲は徐々に増えていき、
次第には片腕が私の太腿へと伸ばされツー、と上まで指を滑らせる。
『ん…ッ』
ゾワッとする全身の感覚が身体に力を入れられなくなってくる。
ここで私が流されて仕舞えば全てが終わり。
そう、私は、依頼を遂行しなければならない
ボスを絶望させるわけにはいかない。
これは、命をかけた仕事なのだ。
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ゆー(プロフ) - 伊達猫さん» 素敵なコメントありがとうございます‼︎ぜひ最後まで楽しんで下さいませ! (2022年6月2日 0時) (
レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
伊達猫(プロフ) - 新作おめでとうございます！初コメですが、krさんの小説から来ました！またテイストの違う内容なので、これからが楽しみです！頑張ってください！ (2022年5月29日 6時) (レス) @page4 id: f609931830 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆー | 作成日時：2022年5月29日 3時
