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「…………へ?」


最後に聞こえたのは、きんとき様の力の抜けたそんな声。
私の視界は一気に暗闇になった。















白くてふわふわした世界。
差し込む光はあたたかくて、眩しかった。

「Aっ‼︎」

笑顔で私の事を呼ぶのは、幼い子供。



_____ああ。覚えてる。



私がまだ両親の元に居た時に、ずっと仲良くしてくれた子だ。

かくれんぼが好きで、
いつも私を見つけてくれていた。


「Aは遠くにいっちゃうの?」

『うん…だから、私のことはわすれていいよ』

「ううん。絶対わすれない!
だって、Aのこと、好きだから」

『わたしも…__ちゃんのこと、だいすき』


最後に交わしたその言葉は
当時、私の中で生きる意味になっていた。


私の事を好きだと胸を張って言ってくれた
だいすきな友達の為にも、
生きていこうと思えたのだ。


___夢の中の2人が楽しそうに遊んでいる。


確かあの時は、
手を繋いでいつも一緒にいたっけ。

よく男の子と間違えられてて、お似合いだと周りにも冷やかされた日もあったくらい。



懐かしいな。



もう、あの頃には戻れないけれど。

また、会えたらいいのにね。

なんて。
柄にもなくそんな事を思った。




___幸せな夢を見るのは、きっと、

今の私も少しの幸せを感じているからなのかもしれない。





ああ。

ほら。

また、誰かが呼んでる。





………




段々景色が変わり、瞼が自然に開かれる。


…懐かしくてあたたかい夢だった。


そう思ったのと同時に、手に違和感を感じ其方の方を見ると
私の手を握ったきんとき様がベッドに上半身を預け眠っていた。


あれ。

そういえば、私、どうなったんだ…?


料理長に何かをされ倉庫のような場所に閉じ込められたのは覚えているが、
いつ意識を失ったのかは、覚えていない。

けれど、此処がきりやん様の医務室である事は、わかる。
そして、きんとき様が無事だということも。




『…ご無事で、よかった』




眠っているきんとき様を見詰め、私は小声で呟いた。

握られている手に少し力を込めてゆっくり控えめに握り返してみた。
すると、んん…と、きんとき様が起き上がる。
もう片方の手ですりすりと目を摩り、此方に視線を向けるので、自然と目があった。



『おはよう御座います、きんときさ…m……ッ⁉︎』



私の言葉を遮り、
彼は自由奔放に私の身体を引き寄せ抱き締めた。




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ゆー(プロフ) - 伊達猫さん» 素敵なコメントありがとうございます‼︎ぜひ最後まで楽しんで下さいませ! (2022年6月2日 0時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
伊達猫(プロフ) - 新作おめでとうございます!初コメですが、krさんの小説から来ました!またテイストの違う内容なので、これからが楽しみです!頑張ってください! (2022年5月29日 6時) (レス) @page4 id: f609931830 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆー | 作成日時:2022年5月29日 3時

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