67-ミクSide- ページ19
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ミク side
『次体育だから着替えなきゃだったぁー!!!』
ミク、ぶるーく先輩、また!と言うと
Aはダッシュで自身の教室へと駆けていった。
Aが居なくなったこの場所は一気に静まり返る…と思いきや、隣の先輩は思いっきり笑っていて、決して静かな空間には戻らなかった。
「ほんと面白いよなぁ、Aちゃん」
はぁぁ笑った笑った、とお腹を押さえながらもう片方の手で笑い過ぎて出た涙を拭うこの先輩に
私は気付いてしまった事がある。
「あの」
「んー?なに?」
「さっきのってAのことですよね」
そう問えば彼の笑みはいとも簡単に崩れていった。
私が言う"さっきの"。
それは、ぶるーく先輩の回答に出てきた
"この子"、"その子"のこと。
現につい数秒前も
Aのことを"面白い"と言って笑っていたし、
何より、
彼のAに向ける視線が
Aが愛しの彼氏を見ている時と全く同じものだったんだ。
「へー…、やっぱわかっちゃうかぁ…」
「まぁ、何となくですけど。」
「Aちゃんは全然気付いてくれないのになぁ」
「あの子には…彼氏しか見えてないですからね」
ガクンと落ち込んだ様子の先輩。
確かにあの調子のAをずっと想い続けるのは相当辛いことだろう、と思う。
「…言わないでね」
そう言うぶるーく先輩は
上手く笑えていなかったけれど
「言いませんよ」
私の返事に、ありがとう、と言う時は
とても優しい笑顔だった。
きっと
彼が気持ちを伝える事はこの先無いんだろう。
何故ならそれは
好きな人の幸せを、壊したくないという
彼の
Aに対する想いと、愛が
とても大きいものだと
わかってしまったから。
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猫又 - すごっくよかったです!!!!!!!!!更新楽しみにしてます! (2021年12月25日 20時) (レス) id: 4271e51d36 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - あああああよかったあああああああ!!やっぱみんなわいてんだ!!かっこよ!!これからの展開が楽しみです…!これからも更新頑張ってください! (2021年11月24日 13時) (レス) @page29 id: 91c51e0192 (このIDを非表示/違反報告)
あ - めっちゃいいとこで終わらせますやん!!!!( 笑 私が知ってる保健室の先生はもっと癒し的存在だからこの人は保健室の先生じゃないです ( ? (2021年11月16日 17時) (レス) @page28 id: ca4e53f5b7 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - せんせぇぇぇ!!だいぶやばい奴じゃん?夢主ちゃん負けるな!!(作者様これからも応援してます) (2021年11月6日 10時) (レス) @page27 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き - 保険室の先生ェェェェェ!!今すぐ辞めるんだァァァァァ!! (2021年10月27日 18時) (レス) @page26 id: 508c9e96c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆー | 作成日時:2021年8月6日 4時