好きです、先輩。２【Kr】

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月曜日




『はぁああ〜〜幸せな時間だったぁ〜…』




「あんたさっきからそれしか言ってないよ」




『だって本当に幸せだったんだもん！』




「はいはい」




今日は久しぶりにミクとお昼を共にしている。

私は、吹奏楽部の大会が終わった為部活動にも余裕が出来たらしいミクの元(教室)へ訪れ

一緒に食べようと誘ったのだ



久しぶりだからか
はたまた私が聞いて欲しいだけなのか

口は閉じる事を知らない。





「でもまさか付き合うなんてね」





入学初日にAが告白した人でしょ？とミクは言葉を続けた





『そうなんだよね、ほんと夢みたい』





気持ちを噛み締めながらそう呟く私にミクは、良かったね、と微笑む。






＊





土曜日のデート…


あのドキドキ映画館の後、


駆け込みで動物園に行って


きりやんが大好きだというレッサーパンダを眺めに行ったり


2人でアイスクリームを食べたり


まだ秋なのにも関わらずライトアップされている綺麗な夜道を2人で歩いて帰ったり。




はじめて経験することが盛り沢山で、
初デートはまるで宝箱のようなイベントだな、なんて思ったのを覚えている。





レッサーパンダ見てテンション上がってるきりやん
めっっちゃ可愛かったなぁ、なんて。




レッサーパンダの写真を撮るきりやんの
後ろ姿を隠し撮りしてたことは
私だけの秘密だ。



携帯のアルバムを開いて写真を見れば
その時のきりやんを思い出して
ふふ、と笑みが溢れる。





それにしても…





『ほんっとに幸せだぁ〜〜』



「まだ言ってるし」





暑苦しい私を横目に冷たく遇らうミクだけど
その口角は上がっている。

彼女とは長い付き合いだから
友人の幸せそうな姿を見て喜んでいるというのは手に取るようにわかる。

ツンデレだなぁ、ミクは。


なんて。





『あ、そうだ。ミクの方は最近どうなの？』



「どうって？」



『ほら、なかむ先輩とか、その』



「あー。告白されたから振った」



『えー…』





なかむ先輩から聞いてたから知ってたけど

そんなあっさり言わなくても…

…なかむ先輩。どんまい。




そんな事を思っていると、
「でも」とミクが話し出したので耳を其方に傾ける。





「あの時は、何も知らなかっただけだったから」





その言葉を聞いて思った。

やっぱり

なかむ先輩のアタックは効いているんじゃないか、

なかむ先輩の良さが、
少しずつでも
伝わってきているんじゃないだろうか、と。



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