6 ページ6
.
『えっ、えと、あの!ちょっといいですか!!!』
私は無理矢理赤毛の彼の手を引き、
階段を駆け登ると、
屋上の扉をバンと開けた。
そこまでしてようやく自分がした行動を理解する。
右手には繋がる彼の手。
そして、屋上で2人きり。
こ、れ、は、
『協力してくれませんか!!!!』
お願いします!と勢いよく頭を下げた。
もう、こうするしかない。
全然脈無しだし、神様の頭の片隅にも入れてないことだってわかってる。
私だって必死なのだ。
静まり返る屋上。
しかし、しばらく続いたその沈黙は唐突に破られた。
「いいよ」
『やっぱり…だめですよn……え"っ?!』
「いいよ?」
うそ…………
『いいんですか…?』
「うん」
彼は頷いて微笑んだ。
ああ、眩しい。
神様の友達も、神様なのか。
『よ、よろしくお願いします!!!』
「あー、でもその代わりさ〜」
"ちょっと付き合ってくんない?"
*
『あの…私入学してから2日目なんですけど』
「まぁいいのいいの」
私が屋上で協力要請をした後、
承諾する代わりに提案されたのは
今日一日一緒に学校をサボる。ということだった。
あの後チャイムが鳴り、
私たちはこっそり息を潜め周りを警戒しながら学校の門を出たのだ。
『まるでスパイみたいでしたよ』
「面白かったよね〜」
『まぁ、それなりに…』
あはは、と笑う神様の友達を横目に、
たまにはこういうのも、悪くないのかも。
そんなことを思った。
「じゃあ、行こっか」
そう言って連れてこられたのは、
ゲームセンター。
こんな時間(授業中)に制服で大丈夫なのかと思ったけど、
ゲームはそれなりに好きだったので、すぐに打ち解けてしまった。
『いや!まじ!友人さん強すぎますって!』
「あはは(笑)、Aちゃん弱いね〜?」
『むっかつく〜〜ッ!もう一回やりましょ!!」
私たちはゲームセンターにあるマリカをひたすら楽しんでいた。
にしても、この人、強すぎる。
プロゲーマーかよチクショー。
結局10戦中0勝。
完敗だった____。
.
421人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「WT」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれいん(プロフ) - 4ページ目で近すぎぃってなって、5ページ目で言っちゃったぁ!ってなりました。好きです。ありがとうございます。 (2022年7月26日 20時) (レス) @page5 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
おりーぶ。 - 途中泣きそうになったのに後半見てからニヤけが止まらない……神ですか? (2021年8月28日 2時) (レス) id: a38d3e7402 (このIDを非表示/違反報告)
お餅の中のお餅 - 凄い好きです!! 結婚しませんか? ( ゚д゚)ハッ! 神に向かってなんてことを!! 失礼いたしました! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 9d76c4111a (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの夢(プロフ) - めっちゃめちゃ面白かったです!!!!krさんいいですねー。もしよかったらなんですが、krさん視点とかも作って欲しいです!!更新は無理しないでください。 (2021年7月30日 21時) (レス) id: 59a61f3f5c (このIDを非表示/違反報告)
のん - あれ?夏祭りなんでチューしてたんですかね?読み返してみて疑問に思いました! (2021年7月28日 16時) (レス) id: 73f49162b7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆー | 作成日時:2021年7月2日 4時