幼馴染はムズカシイ。【Shk】

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『あ!右の方はまだ口付けてないからっ!』

「いや見ればわかるけど、さ」



あれ、それ気にしてたんじゃないんだ…？
なんだ、見当違いな発言をして恥ずかしくなったじゃんか。

……ん？
じゃあ、シャークんは何を気にして…？



『やっぱ…要らない？』

「食う。」

『んわっ』



強要するもんじゃなかったなぁと思いつつ手を引っ込めようとした瞬間、
シャークんの手が私の手首を掴み、
そのままクレープに噛み付いた

パクパクと食べるシャークんは、見た目に反してとても可愛らしい。

そして飲み込み終わると、うま。と一言だけ言葉をこぼす。



『美味いよね‼︎やっぱここのクレープ美味しいよね⁉︎』



私が感じた"美味しい"をシャークんに共有出来た嬉しさで
自然にテンションが上がっていく。

そんな私を見てシャークんは、
いつものようにクスクスと笑うんだ。



「Aと食べると何でも美味く感じる気がする」

『え〜何それ〜』

「俺にも分かんないけど」

『いやどういうことなのそれ!w』



シャークんがそんな嬉しいこと言ってくれるから
もっと色んなお店に行きたいっていう欲が溢れ出る。

次はあの店かな？あそこの店も気になってたしな〜

なんて。
私の頭はそればっかり。
でも、ひとつだけ言えることがある。



『シャークんっ』

「ん？」

『私ね、どの店行くにも、1番最初はシャークんと行きたい!』

「…うん、俺も。」



どうやらそれはシャークんも同じだったみたい。
なんか頬が緩むなあ
今日は良い日かもしれない。




『よーし!じゃあ次はどこ行く？焼肉とか？』

「焼肉ってお前それ他の男に言ったら引かれるぞw」

『いーのっ‼︎
てか、シャークんと行くお店の話なんだから
他の人なんてどうでもいいよ!』

「…お前それさぁ、無自覚なわけ………？」

『え？何が？』

「はぁぁぁぁ………」

『えぇ？そんな急にため息ついてどしたのシャークん』

「うるせぇ。Aが悪い」

『えッ⁉︎』

「そんじゃあ、次は焼肉な。」

『い、良いの⁉︎
シャークんマジで神‼︎大好き‼︎』

「……(ホントにコイツは…………。)」



気分の上昇が止まらない私にはクレープがよく進んだ。
甘いけど甘すぎなくて丁度いいこの味が
今の私にピッタリな、そんな気がしたんだ。



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