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歩く道はいつもと同じはずなのに
隣にいるのがシャークんじゃないだけで
少しそわそわして、落ち着かないような、そんな感覚。
掴まれた手首は
じんわりと熱が篭っている気がして、なんだか緊張する。
『あの、スマイルくん』
sm「何?」
『なんで一緒に帰ろうと思ったの?』
ずっと疑問だったのだ。
数ヶ月同じクラスで過ごしてきて
それなりに仲良くなったとは思うけど
なかむくんやクラスメイトと意見の食い違いがあったりした時は必ず身を引く彼が
こんなにも強引に私と帰るという意思を貫くなんて思わなかったから。
一瞬伏せられた睫毛がまた上を向く。
sm「変だったから」
『え…?』
sm「なんか悩んでそうだったし」
放っておけなかっただけ。
そう言う彼は
天然なのかそうじゃないのか分からない。
だけど、どこか優しい彼のトーンに胸のざわつきが段々おさまっていくような気がした。
『心配してくれてたんだ』
sm「別にそんなんじゃないけど」
『うん。でも、ありがとね』
数ヶ月関わってきたから分かる。
彼は自分の功績を周りに見せないし、こうやってよく照れ隠しをする。
それは、シャークんみたいで。
違うけど、やっぱりシャークんに似てて。
だから、こんなにも自然と頬が緩んでしまうのかもしれない。
sm「言いたくなかったら言わなくていいけどさ、何に悩んでんの」
歩きながらスマイルくんはそう私に聞く。
悩み、かあ。
思い当たるのは一つしかない。けど…
てかそんな悩んでるように見えたのかな…??
『えっと、実は…
シャークんのこと好きな子に協力してくれないかって頼まれて』
sm「……へえ。」
『協力とかするの初めてだからさ、何したらいいか分からなくて。
私がシャークんと一緒に帰るのも、嫌だったりするのかな〜って思ったら…ね、』
sm「だから立ち止まってたのか」
『…うん。なんかいろいろ考えちゃって』
sm「断れば良かったのに」
『断るなんてそんな…!理由も無しに出来ないよ』
sm「…お前ほんと損する性格だよな」
『え?なんか言った??』
sm「いや。何でもない」
__スマイルくんと話して気づいた。
私は断る理由が無かったから協力要請を受け入れたけど
受け入れてからなんでかモヤモヤすることが多いなってこと。
私って、本当はどうしたいんだろう…?
ただ、ひとつだけ。
このままシャークんと帰れなくなるのは
なんか、嫌だなあ…って。
そう思ったんだ。
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ゆー(プロフ) - nsさん» コメントありがとうございます‼︎そう言っていただけて物凄く嬉しいです…‼︎言葉を励みにこれからも頑張ります‼︎^^ (2022年10月30日 1時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
ns - めっちゃ好きです!!!!1話から一気読みしました!!!頑張ってください!!!陰でこっそり応援させていただきます!!! (2022年10月29日 15時) (レス) @page46 id: 8156faff94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - kamochan_721さん» コメントありがとうございます‼︎ふぁぁぁめちゃめちゃに嬉しいです…‼︎至らない点沢山あって読みづらいかもですが…その言葉を励みに頑張ります‼︎^^ (2022年10月18日 2時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
kamochan_721(プロフ) - ゆーさんの作品ほんっっとに大好きです、!!!これからも陰ながら応援させて頂きます、、! (2022年10月17日 17時) (レス) @page33 id: d0e0a84e1e (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - たまさん» コメントありがとうございます‼︎物凄く励みになるお言葉ありがとうございます…!これからも頑張ります‼︎^^ (2022年10月9日 10時) (レス) @page23 id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆー | 作成日時:2022年8月28日 0時