温かくて冷たくて (ページ6)

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入学してから一か月ぐらいはどうにか頑張って学校に行っていたものの、しんどくなって、不登校気味になっていた時に唯一関わりがあったクラスメイトが大我だった。

というのも、学校で配られたプリントを俺に届けるというめんどくさい仕事を与えられたのが大我だったのだ。

「お前が学校来ねぇから俺の貴重な時間が奪われた。」

親には愛想よく挨拶していたくせに、俺が姿を現して第一声がこれだった。

「まあ出てきてくれたからいいや。先生に絶対に本人に直接渡せって言われてたから、出てこなきゃ無理やりお前の部屋に入る羽目になってたわ。」

「…物騒だな。」

「持ってきてやったんだからありがとうぐらい言えよ。第一声が物騒だなはおかしいだろ。」

それはこっちのセリフだと言いたかったがどうにか飲み込んだ。

不登校のクラスメイトにはもっと優しい言葉をかけるだろ、普通。

「ありがとう。」

「ってかなんで俺なんだよ。」

「知らねぇよ。」

「明日は学校来いよ。俺もう届けに来ねぇから。」

その言葉には返事ができなかった。

結局次の日も学校には行けなくて、もう来ないって言っていた大我はめちゃくちゃ不貞腐れた顔でプリントを持ってきた。

俺が学校に行けるようになるまでずっと。

大我は高校でできた初めての友達だ。