温かくて冷たくて (ページ3)

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恐怖の猛追　高地side ページ3

「高地先輩の好きな食べ物は何ですか？」

「また質問？」

「だって俺、先輩のこと何も知らないもん。」

最近、しょっちゅう保健室にやってくるジェシーは、毎日いろんな質問をしてくる。

昨日は確か、身長と体重を聞かれ細すぎだと怒られた。

「もう昼休み終わるよ。教室戻ったほうがいいんじゃない？」

「まだ答え聞いてないです。」

「明日教えてあげるから。今日は誕生日教えたでしょ。」

「えー、つまんない。」

「先生、どうにかしてくださいよ。」

「あ？俺に振るなよ。…はぁ。ほらジェシー、高地疲れてるから。」

「はーい。じゃあ、また。」

「うん。ありがとね。」

とぼとぼと保健室を後にするジェシーの背中を見送る。
完全に姿が見えなくなった瞬間、俺は大きく息を吐いた。

「なに、どうした？」

「別に。」

「話せ。じゃなきゃ今日課題プリント一枚増やすぞ。」

「先生嫌い。」

隠してるつもりでも、深澤先生にはすべてバレてしまう。

いや、もしかしたら心のどこかで気づいてほしくて、無意識のうちに駄々洩れているのかもしれない。

昔は隠しきれていたのに、どうやら俺は弱くなってしまったようだ。

…それか、単純に深澤先生がすごいのか。

どちらにしろ、彼には何も隠せない。

「身長とか、好きなもんとか、そういう単純な質問が全部終わったらジェシーはどうするつもりなんでしょうね。」