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「友達とかもう作らないって思ってたけど、なんか友達って呼べる相手が増えちゃって。しかもみんな優しいんです。北斗は俺を思って関わらないようにしてるんだと思う。大我や樹、後ジェシーは俺にかまってくれる、慎太郎も俺に気を遣って近づかないようにしてる。でも、優しくされればされるほど怖くなるんです。俺のせいでみんなが自分の時間を無駄にしてる。早く回復しないと、また嫌われる。もう、あんな思いしたくない。」
俺が話し終えるまで、阿部ちゃんは何も言わずに優しく相槌を打ちながら聞いてくれた。
泣きながら話す俺の背中を優しくさすってくれた。
「高地、よく聞いて。」
「うん。」
「あのね、だれも高地のために使う時間を無駄だなんて思ってないよ。」
「でも、」
「聞いてごらん、みんなに。高地のために使う時間は、きっと彼らのための時間でもあるんだよ。」
阿部ちゃんは優しく、俺が安心するように話してくれた。
でも、
心の中に渦巻くドロドロしたものが無くならなくて。
とりあえずは落ち着いたけど、なんか、不安は消えなくて。
どうにかなってしまいそうな自分が少し怖かった。
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作者名:すー | 作成日時:2021年5月7日 1時