第二十七話 ページ28
『あの、あんぱん落としましたよ』
「あぁ、ありがとう」
私があんぱんを手渡すと男の人が持っていた紙袋の底が破れ、ぼとぼとぼとっと中に入っていたあんぱんが全て下に落ちてしまった。
「あ」
『あ』
ーーーー…
「ごめんねぇ、持ってもらうことになっちゃって」
『全然大丈夫です。暇だったんで』
大量に入っていたあんぱんを袋無しには持って帰ることが出来なさそうだったので私も一緒に持って帰ってあげることにしてあげた。
『それにしてもあんぱん好きなんですね。こんなに買い込んで』
「好きっていうか…まぁ仕事上、食べやすいんだよね。あんぱんが」
『仕事上…?あんぱん食べる仕事かぁ……想像つかないなぁ』
「あはは…」
アンパンマ〇でもしているんだろうかこの人は。
てかこの道って真選組への道と一緒だな。
ここ最近は毎日のように会ってるから今日は会いたくない。あいつらテンションがめんどくさい。
というかあの人達に会っていい事があった試しがない。
「君は?仕事とかしてるの?」
『私は、えーっとここに入ってたはず…あ、あった。これ』
懐に入れていた万事屋の名刺を渡す。
「え、万事屋…!?」
『はいっ、報酬さえ貰えれば猫探しから浮気調査までなんでもやりますー。よかったら来てくださいね』
なぜか男の人は驚き私の顔をよく見る。
こういう場でも仕事につなげる作業をするなんてさすが私だわ。
「え、万事屋ってあの?」
『あれ?知ってますか?』
「あれだよね。ちゃらんぽらんな旦那がいる……」
『あー、そうですそうです。それです』
あれ?前にお客さんで来た人かな……
いや、でも私こんな地味な人見たことないし
地味だから気づかなかったのか?
「へー。君みたいな子も働いてたんだね。結構変人揃いなイメージだけど」
『そうですね。私あのメンバーの中では常識人って自負してます。我ながらしっかりしすぎてあのちゃらんぽらんの血が入ってるとは思えませんもーん』
親がちゃらんぽらんだからこそしっかりしたのかもしれないけど。
反面教師ってやつ。
「……え。血が入ってる?」
『?……はい。血が入ってる』
「ぇっ……まさか君、旦那の…」
『娘です』
「ぇえええええぇぇええええええ!!!!!!」
男の人は手に持っていたあんぱんを全て落として驚いた。
お父さんほんとに誰にも私の事言ってなかったんだな。
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雪だるま - 銀ちゃんの娘...!!.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.ちなみに母親は誰なんですか? (2018年10月5日 22時) (レス) id: 9c5c3e2020 (このIDを非表示/違反報告)
さつきち(プロフ) - みみさん» わぁぁぁああ!!!本当ですね!! 前半消えてていそいでつくりなおしたんですけど載せてたんですね良かったです〜お知らせありがとうございます!! (2017年1月20日 18時) (レス) id: faee2cb2ed (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 30話と40話、同じ話ではないでしょうか…? (2017年1月20日 18時) (レス) id: 3460ff137f (このIDを非表示/違反報告)
さつきち(プロフ) - まめみかんさん» 最近時間が無くてあまり書けずにいますが時間があれば書きたいとは思います!ありがとうございます! (2016年12月28日 14時) (レス) id: faee2cb2ed (このIDを非表示/違反報告)
まめみかん(プロフ) - 面白いですっ!トプ画がすっごくお上手で羨ましいです〜♪他のイラストも描いて欲しいです!! (2016年7月9日 12時) (レス) id: 38d08b875a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつきち | 作成日時:2015年12月28日 22時