7 ページ7
ドーナツをひとつ食べ終わって、私はもうひとつのカスタードのドーナツを取り出した。
それを綺麗に半分に割る。
中の黄色い滑らかなクリームが見える。
そして半分をトニーに渡した。
トニ「いい、君が食べろ。」
『一緒に食べた方が美味しいんだよ？知らなかった？』
彼は1度押し返したが、ふっと笑って受け取った。
トニ「初耳だな、試してみよう」
そしてわざとらしくそう言い放ち、ドーナツを頬張った
私も口に運び、ドーナツを味わう。
中のクリームが濃厚でそれでいて滑らかだ。
チョコレートと程よく溶け合い、それを包む生地がとても香ばしい。
『最高！』
口元に着いたクリームを指で拭いとり、最後の1口をゆっくり飲み込んだ。
トニ「A」
『ん？』
呼ばれてふと彼を見上げるとぱっちり目が合って、
大きな優しい瞳がそっと近付いた。
そして重なる唇。
彼からはカスタードの柔らかな香りとチョコレートの甘さがした。
2、3回小さなリップ音を立ててゆっくり離れる。
冷たい風が熱い唇の前を音もなく通り過ぎるのを感じた
トニ「確かに、美味い。」
『そ、そう…』
うるさいほど鳴っている心臓とリンゴのように赤くなる顔を隠すように手で顔を覆った。
トニ「おい、なんで顔を隠すんだ。」
ニコニコ嬉しそうに笑いながら聞いてくる。
『わ、私の事より夕日を見てよ、綺麗だよ。』
指の間から沈み掛けの夕日が輝いて見えた。
トニ「君と見たいんだ。」
『ちゃんと見てるよ。』
トニ「言ってなかったか？手を繋いで見たいって」
私はとうとう諦めて真っ赤になった顔を出して、
彼の手を握った。
『こ、これでいい？』
トニ「あぁ、最高だ。」
もう隠すのをやめて彼の肩に寄りかかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さら - ありがとうございます！！いつも更新ありがとうございます！！嬉しいです！！楽しみにしてます！！コロナ流行ってるのでお体には気を付けてくださいね！！ (2020年3月22日 0時) (
レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
ふーあ - さらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂いてほんと嬉しいです！ピーターとドクターですね？！この話では勿論多めに出させて頂きます！笑時間があればその2人落ちで新しく物語を作るかもです！ (2020年3月11日 1時) (レス) id: 8d4bf47091 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして！！ふーあさんの作品読みやすくて大好きです！！リクエストいいですか？？スパイダーマンのピーターとストレンジ書いて欲しいです！！ (2020年3月7日 22時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
hide(プロフ) - おお！楽しく読ませていただきますね(●´ω｀●) (2019年11月12日 14時) (レス) id: 97cb9c19ab (このIDを非表示/違反報告)
ふーあ - hideさん» コメントありがとうございます！！！そう言って貰えて本当に嬉しいですっ！今後の流れとしては、一応、3作目の中盤から終盤くらいまで、シリアスを混ぜながらも、オリジナルで行こうと思います。このあとに原作の方を書いていこうかと考えてます (2019年11月3日 6時) (レス) id: 79c7efff2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふーあ | 作成日時：2019年11月1日 1時
