分解と構築と好奇心（仮）

朝っぱらの好奇心 ページ12

『あくまで考察ですが、キンブリー少佐は普段常に自分が変人と、異端者という事を隠すように上手く世間を渡っていると考えました。戦場にいる時だけ別の人格が出る、という方が一般的に確率が低いので。
自分の本性を隠しながら生きているのなら、戦場で笑わず人を殺した方が賢明でしょう。
え、それともマジで二重人格なんですか？』

「ただの好奇心ですか。」

『あ、好奇心。多分それです。好奇心。』

そうだ、この感情はきっと好奇心なのだ。



『私ちょっと好奇心旺盛なガールなもので』

てへぺろ、っと効果音がつきそうな表情で言う。



「全く、好奇心だけでこんな事聞いてくるの人生で先にも後にも貴方だけですよ。」

呆れたように少佐は言う。
私の渾身のてへぺろ顔を無視するなし。



『少佐の中のオンリーワンになれて何よりです。』

「本当に図々しいですね、貴方。」

『うるせぇです。そんな事より、どうなんですか？私の考えどこまであってます？』

「貴方の考えはほとんどあっています。私は二重人格者では無いですよ。
何故笑うのか、という質問には、仕事にやりがいを感じているのでついつい笑ってしまう、と答えましょう。」

『仕事にやりがいを感じてる？』

「えぇ、自分の特技をフルに活かせる。それに爆発の素晴らしい音を聞くとついつい笑みがこぼれてしまいますね。」

『うわ、思った以上に変人サイコパスでした。』

流石に若干引く。


「私も貴方の好奇心には呆れますよ。」





『スミス中尉はじめ、今残ってる部下はきっとキンブリー少佐の事を戦場ではヤバいけど普段は良い人、優しい人、と思ってますがその点についてはどう思います？』

アナウンサー気取りで聞いてみる。聞ける時に聞いたもん勝ち。



「別になんとも思ってませんよ。この事について話すか話さないかはレタブリッスモン次第です。」

『えー。話す訳ないじゃないですか。もしこれ聞いて皆さん辞めたりしたら仕事増えるし、いい事なしですよ？？』

「本当に自己中ですね。
貴方のブレない自己愛、好奇心。どこまで貫けるか。
つくづく将来が楽しみです。」


この性悪上司の事だ、絶対に良い意味では無いと思うが、将来に期待されてるのなら答えてやろうじゃないか。


『私も自分の将来が楽しみです！生活安泰してると良いんですが........』

「戦争で死ななければ軍人なんて勝手に昇格するものです。死ななければですけど。」

『うげー。縁起でもない事言わないでくださいよ。』

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