天使と紫色の傘 ページ48
・side ?
・
逃げ出したかった。
・・・誰にも見つからない場所へ行きたかった。
?『っはぁ、、最悪だ』
夜のソウル。
鞄も財布もスマホも持たず身一つで出てきてしまったことを後悔している。
空を見上げればいつも綺麗な月や星たちが黒い雲に隠れて姿を現さない。
今、俺を照らすのは等間隔で立っているお洒落な電灯だけ。
こんな俺を照らすのは電灯の明かりだけでいいってか。・・・あぁ今すごくステージの明かりを浴びて、ARMYたちの声援を聞いて我武者羅に踊りたい。
?『・・・嘘だろ、、こんな時に雨かよ』
とぼとぼ歩いていたらピチャンと1粒透明な物が手のひらに落ちてきた。それを合図に今度はポツポツと音を増して強くなり俺の体を一瞬にして冷たくしてしまう。
泣きたいのはこっちなのに。
走る気すら起きなくて、近くにあった電灯にもたれ掛かるようにして体育座りして座った。
今、すごく、惨めだ・・俺。
『っぁ、あー・・・、だいッ大丈夫、、ですか?』
突然、頭上から聞こえてきた声に思わず顔を上げると、制服姿の女の子がいた。
?『・・・・・・』
『ッ〜! ...傘、使って下さい。私、あるので。もう1個。』
そう言うと俺の右手を急に掴んで傘を握らせ、水飛沫をパシャパシャと上げて走って行ってしまった。
その後ろ姿はまるで地上に舞い降りた天使のようで、その小さな背中に小さな白い羽が生えているように俺には見えた。
彼女が渡してくれた紫色の傘。
俺の大好きな色。
帰ったら真っ先に謝ろう。そして、聞いてもらおう。
TH『ねえジミナ、今日さ』
俺は天使に出会ったよ。
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シラス(プロフ) - わんださん» ありがとうございますm(*_ _)m そう言って頂けると更新する励みになります!!これからもこの作品をよろしくお願いします♪ (2021年3月28日 17時) (レス) id: 7e18d336c1 (このIDを非表示/違反報告)
わんだ - ジンペンの友達にすすめられてこの作品を見たんですが、ユンギペンの私もどはまりしました!更新頑張ってください! (2021年3月28日 16時) (レス) id: fa31baac46 (このIDを非表示/違反報告)
シラス(プロフ) - わんださん» わんださん、ありがとうございます! (2021年3月15日 20時) (レス) id: 7e18d336c1 (このIDを非表示/違反報告)
わんだ - この作品最高ですね! (2021年3月15日 15時) (レス) id: 7c674b63ad (このIDを非表示/違反報告)
シラス(プロフ) - 雨子さん» はじめまして!!この作品に出会って下さりありがとうございます!!ずっと前から考えていて、自分の中で今やっと最後まで物語を構成することが出来ました。長くなりそうなので、気長に呼んでくだされば嬉しいです! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 7e18d336c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シラス | 作者ホームページ:http://yfuyguiko@hytcg
作成日時:2021年1月28日 14時