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白虎は動き出した。
木箱をいとも簡単に壊した。
太宰「こりゃ凄い力だ。人の首くらい簡単に圧し折れる」
太宰さんは、そう感心しながらも軽々と白虎の攻撃を避けている。
なんて、身軽なんだろう。
素の身体能力が良いのかな。
『太宰さん、結構運動出来るんですね』
太宰「まぁね。それよりAちゃんは怖くないのかい?」
『まぁ、此処では死なないかなと思ってます』
太宰「……なんで?」
『なんでって、太宰さんが何とかしてくれるのでしょう?
貴方が考え無しに動くとは思えない』
太宰「出会って数時間なのに、随分と私の事を理解しているみたいだね。
そうだよ。私には考えがある」
お互い白虎を避けながら、会話をする。
私は動体視力が良いため、白虎の動きはよく見える。
でも、そろそろ体力的にキツいかも……
太宰「獣に喰い殺される最期というのも中々悪くはないが、君では私を殺せない」
目の前にいた白虎の額を太宰さんが指先で触れた。
その瞬間、眩い光が放出され、私は思わず目を瞑った。
倉庫内を包む白い光が、少しずつ消えていく。
ゆっくりと目を開ければ、白虎の姿は消え、中島くんは人間の姿へ戻っていた。
太宰「私の能力は、あらゆる他の能力を触れただけで無効化する」
太宰「男と抱き合う趣味はない」
自分から抱き締めに行っといて、それは酷いのでは?
まぁ、虎探しもこれで終わりかな。
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作者名:シザンサス x他1人 | 作成日時:2020年7月26日 18時