規制音あるからって、やらしい訳じゃない ページ23
............
...
「良いか？今から芝居すっから絶対笑うんじゃねぇぞ！」
「ど、努力する。」
「練習するぞ。ん"ん〜...ｽｩ、お姉ちゃん！ここの宿にしよ？」
「ブッフー！！！！んくくくくく、アハハハハハハッダメ...ハハハハハッイッヒヒヒヒアハハハハッ」
いつもとのギャップでスイレンは限界を超えた。その後ろには、修羅が、
ゴンッ(げんこつ)
プシュぅぅぅ──。
「やるぞ。」
「...ぁぃ。」
ふぅ
「僕ねぇ、ハンバーグが良い！！」
「んん""....うん。じゃ、そうしよｯ...かハッ」
プルプルと震えながら耐えている。最初は鼻で笑いを耐え、最後の最後で笑っていたが、合格ラインギリギリである。
だが、笑ったのは事実であり、その後、彼女は、人が変わったように演技が上達したそうな。
────
宿の外見は旅館に近く、俺個人としてはとても親近感が湧いたが、そこは、スルー。
「いらっしゃいませ！」
受付の人は、二十代前半とも言える若い女性の人がやっていた。水色に近い頭巾を被り、同色のエプロンをしていた。
...調理実習か！！
まずは、傭兵料金ではなく、子供料金で経費を落とす。
その合図でスイレンの服の裾を引っ張る。シャイな子供を演じる。
「ﾝﾌｯ、えっと、大人一人、子供一人で何週間か泊まりたいんだけど、幾らくらい？」
笑ったな？コイツ、今笑ったよね？
皆、笑ってたと思う人、手上げて？上げた人に応じてコイツ絞めるから。
えっと、
「そうですね、少しお待ち下さい。ええっと、」
っと言って、ジャラッっと音を立て見覚えのある物を取り出した。
そう、日本人なら大抵の人が分かる、【そろばん】だ。
正直に言おう、電卓が欲しい。
すると、慣れた手つきで、パチパチと弾き、計算の途中で質問をしてくる。
「食事はどうなさいますか？」「お部屋はお分けしますか？」「お風呂はどうなさいますか？」である。
その度に俺は、スイレンの裾を、肯定で一回、否定で二回、おまかせで三回と引っ張る。
「そうですね、この条件でしたら、一日あたり、銅貨三枚になります。」
何と！？
一部屋で三食付き、お風呂二十一時から他の客と共有の入浴でこの金額とな！？
安いぜ。
なら、一ヶ月は居る。
っと、スイレンの裾を少し強く引っ張り合図をする。
「一ヶ月間で計算できますか？」
「はい、一ヶ月パックで銅貨七十枚です。」
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作者名：ノウス | 作成日時：2019年6月1日 23時
