坂本勇人 ページ1
勇人side
やばい……今日はAとの待ち合わせなのに……寝坊してまった……。
あいつ……時間はキッチリのやつやから……怒らんとええけど……。
駅まであと少しっ……！
「はぁっ……はっ……。ごめん、A」
「もう……20分チコク……。」
「ごめんな、待たせて」
「……髪崩れた……。もうやだ……帰る」
「あーっ。もう！ごめんな」
Aのやつ、道に座り込んで……。半泣きやし、相当落ち込んでるみたいやな……。
あ、そういえば近くに……。
何とか機転をきかせないと！
「なあ、A。ちょっと時間ええか？」
「……何よ。」
Aside
そう言って連れてこられたのは近くの美容院。
「え……ここって……」
カウンターに居たスタッフさんに、こう話して居たのが聞こえた。
「すいません、急ぎでお願いしたいんですけど」
『はい……えっと……お時間何分位で仕上げましょうか？』
「とにかく今すぐお願いします！」
『……では、こちらの席にお座りになって下さい』
「A、行ってこい」
「へぇ！？」
私は、何が起こっているかも分からず、スタッフさんに案内されて、一番端の椅子に腰掛けた。
『では、少し整えさせていただきます〜』
今から私に何するの〜泣
(もういい、どうにでもなれ……)
私は、訳も分からず半泣きの状態で、目を閉じたのであった。
勇人side
(お、スタイリング終わったか……)
スタイリングが終わり、こっちに向かってきたAはホンマに可愛くて……。
『髪型、本当にお似合いですね…！』
「あ、ありがとうございます……」
照れながらスタッフにお礼を言う姿も可愛いなぁと思いつつ、美容院を出る。
外に出た瞬間、Aが急に俯き、黙った。
「どしたんや〜？あんまり髪型好きや無かった？」
顔を覗き込むと、Aの目が赤くなっているのが分かる。
「え？ちょ……どうしたん……俺、なんかやってもうたか？」
「違っ……。ごめん……」
すると、掠れた声でこう言った。
「……嬉しいの。……ありがとう……。」
「なんや〜大袈裟やな〜。」
「……だって……ッ……ん……ごめん。」
「その髪型も、十分可愛ええよ。」
気を取り直して……。
「さぁ、今日はどこ行くんやっけ？」
「……ぐすん……ッ。……服見に行く……。」
「何が欲しいんや？何でも買ったるわ！」
俺の意気揚々とした態度に、Aも微笑んだ。
さぁ、Aと過ごす、楽しい休日の始まりだ。
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作者名：睦月みかん | 作成日時：2019年4月30日 18時
