姉と弟 (ページ12)

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ようやく明日退院って日に、昼間からお父さんお見舞いに来てくれて。

あ、言い忘れてたけど、病室個室なんだよね。

１週間の入院だけでどれくらいお金かかるんだろう。

でもお父さん、何もしなくてもお金が集まってくるとか言ってた気がするから、まあいいか。

てかお父さんスーツ似合うよね。細身だし、身長高いし。

とか考えてたら、桐山先生入ってきて。

大事な話あるからってなんか車椅子乗せられて、会議室みたいなとこ連れてこられた。

え、やだこの空気。

あの小学生の時にした手術前にもこんな時間あったよね。嫌な空間すぎて覚えてるよ。

Aちゃん、お姉さんなったなあ。

もうすぐ高校生やもんな

違う。

先生が高校の頃は淳太と濱ちゃんと毎日馬鹿みたいなことでげらげら笑っとったなぁ

違う。先生が話したいのはそんなことじゃないでしょ？

先生、話ってなに。ちゃんと聞くから、話して。

いつになく真面目に私が言ったから、桐山先生も空気を受け取ったみたいで。

ちなみに、ここまでお父さん沈黙。

いや、絶対何か知ってるじゃん。

桐山先生と会ったら、必ず学生時代の全然面白くない話で盛り上がって私置いていかれるのに。