こいぬ代表、平野くん。 (ページ10)

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“…お！良く出来てんじゃん！じゃあお疲れ様。”

程よく上司からの目が生暖かくなってきた所で

急いで人事部に向かう。

…といっても２個先なので５分ぐらいなんだけど。

『…しっ、失礼します…！』

私だとわかった瞬間に

女子社員から向けられる目は鋭くなる。

「な…っ、Aちゃん…！？」

『ぁ…しょうく、…っ！？』

私を見つけると紫耀くんは

真っ先に駆け寄ってきて、ぎゅっと抱き締めた。

『へ…っ、え…』

「ごめんっ！！ほんまにごめん！！

あんな態度とってもーて…ほんまごめん！」

抱き締められて

何が何だか分からなかったけど

視界が歪んでくのは分かって。

「ちょ！泣かんといてや！」

紫耀くんの声が優しいから、

それでより泣きそうになって。

『わ、っ…私もごめんなさい…っ』

…仲直りするだけで泣くなんて

いつの間にこんなに涙もろくなったんだろう。

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