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・you
伊野尾「もう一回おねだりしてみてよ」
「別に伊野ちゃんに言ったつもりないんだけど」
まずい、と気がついた時には既に手遅れだった
興味津々になった伊野ちゃんがなにをしでかすかわからないというのは私たちの間じゃ常識で、寝転んでいた体を危機感から起きあがらせたがあっという間に距離を詰められてしまい、背中にはソファの背もたれが当たる
伊野尾「それが正しい座り方」
「…ごめんて」
伊野尾「ねえA、おねだりしてよ」
「やだってば」
近づいてきた彼を押しのけようと腕を伸ばすもその腕を力強く掴まれてしまう
「伊野ちゃん、こんな力あったんだ」
伊野尾「男だからね」
「もうこの際だからいうけどこんだけ力あったらやまちゃんの上跨るよね?」
伊野尾「…そうやって俺の地雷ぶち抜くの何回目?学習してよ」
諦めモードの話逸らしは無情にも逆効果で私の腕を掴む力はどんどん強くなる
「痛いよ」
伊野尾「離してほしいならちゃんとお願いしないと」
「…趣味悪いな…離してよ」
伊野尾「やだ♡」
「は?ちょっと…!!」
今月1番可愛い顔をして語尾にハートが見えるほど甘い声でやだと言ったこのきのこ頭は気が狂ったのかそのまま私のことを床に押し倒す
伊野尾「俺、自分では趣味悪いと思わないよ」
「私がいい女だって言いたいの?」
伊野尾「夢中だよ」
「馬鹿なんじゃないの」
やっぱりこれが自分じゃなくて知念とかだったら最高に美味しい展開なのにと思うと同時にいつもと違って若干胸が高鳴る自分が余計に恨めしくて仕方がない
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