レンタル彼氏依存症。【シルバー】 (ページ11)

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【不思議彼氏】ページ11

一週間後。

久しぶりの"彼氏とのデート"。

あの支配人に紹介してもらうのは、癪だったけど。

あれ以来からだから、気分は上がっている。

『あのっ、待たせてしまいましたよね。』

「そんなに、急いで来なくても良かったのに。」

『…………申し訳なくて…』

「大丈夫だよ、行こうか。」

マジで、よかった。

値段相応な感じがして安心しながら、彼の後をついて行った。

今日は、オススメのスポットに連れて行ってくれるらしい。

何か、雑談をしながら歩いていると。

…………あれは、シルバー、さん………だっけ？

一人の女性と、話をしている。

そういえば、まだ約束していた女性がたくさんいるんだっけ。

それにしても、偶然かな。

また、この間行ったカフェでデートだなんて___________。

「………どうしたの？そんな立ち止まって。」

『い、いえ………』

「彼のこと、気になる………？」

『えっ』

「あぁ、ごめんね。
凄く、見てたから。」

「彼、凄く不思議だよね。」

不思議______________。

そんな曖昧な言葉が、こんなにもしっくりくることがあるだろうか。

一見、仲睦まじそう二人を見る。

そして、隣にいる彼を見上げる。

「彼、シルバーくん……？
新入りの彼だけど、予約が殺到してるみたい。」

『………え？だって、』

「君が言いたいことは分かるよ、でも実際のことだよ。」

『………私は、貴方の方が素敵だと思います。』

「そっか。
落ち込んでるわけじゃないよ、でもありがとう。」

やっぱり、訳ありっていうのは………。

おそらく努力して昇ってきた彼の本心は、見えなかったけど。

何だか、あまり首を突っ込まない方が身の為に感じる。

あの女の言う通り、本当にもう会うことはないけど。

このカフェに、一体何があるっていうの………？

その時、誰かが此方を見ている気がした。