猫が3匹 ページ4
「ねぇ、Aちゃん」
「んー?どったの」
お昼休み、友達の真美とご飯を食べていると、突然真剣な顔で真美が私に話しかけてきた。
「Aちゃんさ、神代くんと仲いいの?」
「……は?」
真美のその言葉に、つい箸で挟んでいた卵焼きをポロッと落とす。
「な、何急に、ホントに」
「いや、もうすぐ神代くんが転校してきて1ヶ月じゃん?なのに神代くん、全然女子と喋ろうとしないからさ。けどAちゃんは、結構神代くんと喋ってるし」
「……あれがまともに喋ってるように見える?」
あれは喋ってるんじゃない、ただの独り言だよ。一回も言葉のキャッチボールを交わしたことがないんだから。ずっと言葉のラグビーしてるから。私が。
「ていうか、やっぱり神代くん、私以外の女の子とも喋らないんだ」
「そだよー、知らない?神代くん、女子には死ぬほど塩対応って」
「……というと?」
「私も実際受けたんだけどさ、神代くんの塩対応。なんか、どこから転校してきたの?とか聞いたら”貴女に話す義務はないので”ってすっごい真顔で言われた」
「……あー……」
物凄く安易に想像できてしまう。やっぱり彼のあれはデフォルトだったんだ。
「でも、男の子とは普通に話してるんでしょ?てことは、多分女の子苦手……とかなのかな」
だとしたら悪いことしたな、彼がただの性格の悪いやつだと思ってたから、嫌いになりかけてたけど。
「うーん、知んないけど、なんかA組の天馬くん?って人とは結構仲良いみたいだよ」
「へぇ、つーちゃんと?」
「……つーちゃん??」
「うん、つーちゃん」
そういえば、2年でクラス離れてから、あんまり喋ってないな。家近いからたまたま会ったときとかに挨拶はするけど。
フェニランでバイト始めたって聞いたし。また行こ。
「Aちゃん、天馬くんって子と仲良しなの?」
「仲良しっていうか、腐れ縁だよ。幼馴染なの」
「へぇ……!Aちゃんって、結構男子のお友達多いよね。……それでも神代くんとは無理なんだもんなぁ」
「うん、あれは無理。難易度高すぎ」
多分、彼とは一生仲良くなれない。
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音蘭 - こんな作品があるなんてびっくりしました!凄く面白かったです! (12月4日 23時) (レス) id: 05d9330194 (このIDを非表示/違反報告)
れーと - この作品最高です。大好きです。神作品をありがとうございます!!!!!!! (10月11日 23時) (レス) @page15 id: f8da97e70e (このIDを非表示/違反報告)
しずるちゃ(プロフ) - この作品が大好きです (5月24日 22時) (レス) @page13 id: ceaee015ba (このIDを非表示/違反報告)
赤坂(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (5月21日 18時) (レス) id: a636d9e24d (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 更新ありがとうございますっ!!! (2023年4月22日 18時) (レス) @page13 id: cdedb7c8a1 (このIDを非表示/違反報告)
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