猫が懐いた【kmsr】

猫が10匹 ページ11

｢A、さん｣









｢わ、神代くん。どうしたの｣









休憩時間になり、今日も今日とて数学のノートを回収していると、突然神代くんが話しかけてきた。









ちなみに昨日の女子たちの目が死ぬほど怖かったです！！！！やっぱり私殺されるんじゃないかな！？！？鞄死守！！！！









｢そ、その、数学のノート、これ……｣









｢……ああ、ノート出しに来てくれたの？ありがとう。じゃあ貰っと________｣









｢は、半分！｣









｢ん？｣









｢……半分、渡してくれるかい？｣










そっぽを向きながら、手を差し伸べてくる神代くんに、一瞬思考が追いつかなかった。









……半分渡してくれるかい？？？？ん？？手伝ってくれるの……？？あの神代くんが……？？？










｢え、いやでも、神代くん数学係じゃ……｣









｢い、いや別に、手伝おうとしているわけではなくてね！僕も今から職員室に用があるから、ついでに持ってあげようかなーなんて思ってね｣










｢それで、その、えっと……と、とにかく渡してくれるかい！？｣と目を泳がせながら言う神代くんに、つい笑みがこぼれた。









｢え｣









｢ははっ、ごめんごめん。神代くん、優しいんだね｣









｢だっ……！だから、これはその、ついでだからね！ついで！！そうだよ、あくまでもついでなんだ！！｣









｢はいはい、ついでね。じゃあ半分任せちゃおうかな。ありがとう｣










｢……ん｣









半分神代くんに渡すと、神代くんは顔を綻ばせた。幼稚園児みたいで可愛い。










｢……神代くんって可愛いところあるんだね｣









｢僕は可愛くないけれど｣









｢あ、前までの神代くんに戻っちゃった｣



















(……また、言いそびれた)

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