錬金術師6 ページ7
(・・・もうお昼か)
4限終了のチャイムが鳴り、ふと時計を見てそんなことを思った。
今日は授業にもあんまり集中出来ず、ずっとボーッとしていたからかもしれない。ノートも真っ白だ。
まぁ、ノートが真っ白なことも、授業に集中していないことも、日常茶飯事なんだけれどね。
僕のノートが真っ黒になるのは、ショーのアイデアを書いている時くらいかな。
1人普段を思い返しつつ、朝に買ったパンの入ったビニール袋を片手に、僕は教室を出た。
寧々は先に屋上に行っていると連絡があったし、Aを迎えに行こう。
1年のフロアまで来て、1-Cへと足を運んでいる最中。
｢お金払うからカメラに収めさせてください！！！！！｣
(・・・やらかしたね)
遠くから響いてきたその大声を聞いて、僕は少しため息をついた。
あんなに高校では素を出さないように頑張る、と意気込んでいたのに。
これじゃあ中学に逆戻りだよ、A。
まぁ、その時はまた僕が守ってあげるけれどね。
誰相手に言ったかは分からないが、きっと今頃すごく困っているだろうし、助け舟を出してあげよう。
｢A、迎えに来たよ｣
Aの少し後ろから声をかけると、Aは首をちぎれんばかりに後ろに回し、僕の名前を叫びながら抱きついてきた。
・・・さて、Aがやらかした相手は誰かな。時と場合によっては、その子達に制裁を下さないといけなくなるのだけど。
｢・・・おや｣
目の前にいるのは、僕に抱きついているAを見て絶望している東雲くんと、その横で状況が把握出来ずポカン、としている青柳くんだった。
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