錬金術師1 ページ2
「A、おはよう。今日も元気に学校へ向かおうか」
「・・・今の私の前でよくその言葉が出てきたな」
僕の目に映るのは、明らかに準備途中の幼馴染の姿。
昔から何度も見ているはずなのに、見る度に愛おしい気持ちになるのは、それだけ僕がこの子のことを好いている、ということなのだろう。
「ほら、早く準備しないと。寧々も待っているよ?」
「誰のせいだよ・・・」
なんて呆れながらも、Aは急いで準備を終わらせて僕と一緒に家の外へと出た。
「あれ、思ってたより早かったね。おはよう、A」
「寧々おはよー。てかなんでこんな早いわけ?いつももっと遅いじゃん」
眠たい、と目を擦りながら僕たちに問いかけるA。
「なんか、類がAと早く登校したいって言うから」
「は?」
信じられない、という顔で僕を見るA。なんだか心外だよ。
「今寧々の言ったことは何一つ間違っていないよ。たまには早く行くのもいいかと思ってね」
「私を巻き込む必要性は?」
「ないね」
「じゃあいいじゃねぇか」
「けれど、僕たちが迎えに行かないと、君は学校に来ないだろう?」
「・・・ぐぅの音も出ない」
実際、昔は学校をサボりたくてしょっちゅう嘘をついていたし。
1番驚いたのは、叔母さんが後ろで料理している音が聞こえてくるにも関わらず、「お母さんが入院しちゃって・・・」という嘘をついたことかな。しかも理由インフルエンザだったし。6月なのに。
「まぁいいんじゃない?いくらAでも、学校に行ったらいい事の0.5個くらいあるでしょ」
「いや少なすぎないかな????相場は1では????」
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