恋愛対象は恋のキューピット【神代 類】

矢が31本 ページ33

｢おはようAくん！！！今日も相変わらずの可愛らしさだ！！愛しているよ！！｣









｢おはよう冬弥くん｣









｢お、おはようございます、A先輩。あの、神代先輩が・・・｣









｢え、神代ー？誰のことかなー？｣









神代くんと付き合って2週間が経ったが、私たちの関係は付き合う前と差程変わりはない。









それも、神代くんが付き合う前から距離感おかしかったからだと思うけど。









・・・いや、付き合ってからもっとおかしくなった気がする。









みんないる所で平気でキスしようとしてくるし、今みたいに愛の告白もしてくる。









普通に神代ファンクラブに目付けられて大変なんだけど。いっそのこと神代くんを生贄にするか。










｢Aくん、どうして無視するんだい？｣









構ってほしそうに私の頬をツンツンしてくる神代くん。なんだコイツ面倒だな。









｢っあー！！！うっざい！！｣









｢あ、やっとこっち向いた♡｣









｢やっとこっち向いた♡じゃないよ！・・・何？なんかあった？｣









｢いいや、特に何も無いよ。ただ、好きだなーって｣









｢だから、そういうの平気で言うのやめてくれない？心臓に悪いから・・・｣









｢だけど、君が好きになったのはそんな男だろう？｣









｢・・・まぁ、ソウデスネ｣









そんなことを言われると弱い。神代くんは私の弱点をいっぱい知ってるのに、私は何も知らない。










｢神代くんの弱点って何｣









｢そうだねぇ、野菜と、あとは・・・｣









｢Aくんかな｣









いつも通り、からかう笑顔でそう言った神代くん。









でも、私だってやられっぱなしは腹が立つ。









｢・・・そうだね。私も、神代くんが弱点かも｣









そう言ってにこりと微笑むと、神代くんはたちまち赤くなった。どうやら神代くんは、好きな子相手には結構初心なよう。










｢・・・そういうのは駄目だと、何度も・・・｣









｢何を、お互い様でしょーが｣









｢・・・好きだよ｣









｢うん、私も｣









恋のキューピット。









最後の1本は、愛しい人のために使ったようです。




【完】

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