矢が16本 ページ19
「すみません、遅れました」
「やっときた!!私の愛しの冬弥きゅん!!!」
「キモ」
「うるさい」
「?何だかよくわかりませんが・・・俺もA先輩のことは好きですよ」
優しい。優しすぎる。私の心が冬弥くんに射抜かれそうなレベル。
「とりあえず冬弥くん飲み物でも頼む?」
「そうですね。では・・・コーヒーを頂きたいです」
メニューを一目見て、冬弥くんはコーヒーを注文した。
コーヒー飲めるのか・・・大人だな・・・私飲めないんだけど・・・あれ、私先輩だよね?あれ?
「それよりA先輩、相談とはなんでしょうか?」
東雲くんの隣にちょこんと座った冬弥くんは、私の方に向き合ってそう聞いてきた。
「あー、そうだった。えっとね、私最近ある人にしつこく交際を申し込まれてて」
「そうだったんですか・・・!おめでたい事ですね」
「あれ思ってた反応と違う」
私の言葉を聞いた冬弥くんは、最初こそ驚いたものの、すぐ瞳を輝かせた。
あれ?私のイメージでは、「そうなんですね!俺が守ります!」みたいなこと言ってくれてたのに。
「冬弥の純粋さ舐めない方がいいっすよ」
「そうでしたね」
冬弥くん有り得ないくらい純粋で天然なの忘れてました。天然記念物でしたこの子。
「良ければその話、もう少し詳しく聞かせてもらえませんか?A先輩の好きな人の話は、俺も気になりますし」
「・・・は?」
冬弥くんの言葉についお茶を飲む手を止める。
いや、だって、冬弥くん今・・・。
「・・・今、なんと?」
「え?えっと、A先輩の好きな人の話は気になるので、良ければ詳しく聞きたい、と・・・。もしかして、迷惑でしたか?」
「いや、迷惑じゃないんだけどね」
どうしよう、ものすごく頭が痛い。意味がわからなすぎる。私が??神代くんを???好き???は????
・・・あ、冗談かな。
「いくら冬弥くんと言えど怒るよ」
「な、何か怒らせるようなことをしましたか・・・?」
・・・冗談じゃないよね、知ってた。冬弥くんはそんなキャラじゃないって知ってた。
「冬弥を困らせないでください」
「それに関しては私も同意見」
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胡蝶 恵@副×2垢(プロフ) - 作者さん、最高だぜー!!! (4月13日 18時) (レス) @page45 id: 70a431d9b6 (このIDを非表示/違反報告)
葵衣@神代類推し(プロフ) - ミ"ッ、、、東雲ぇ、、、お前ぇ、、、最高かよ、、、神ですか? (3月14日 16時) (レス) @page45 id: 53e111f1d4 (このIDを非表示/違反報告)
aka(プロフ) - 続編に行かずこんなに神ってる作品初めて読みました!!!!!!!!!!東雲の失恋エピも最高っっっっ! (8月5日 0時) (レス) @page45 id: f77e69c6b8 (このIDを非表示/違反報告)
熱狂信者 - 本編もすっっっっっっごく良かったんですけど稀にある息抜きとかがどストライクなのって私だけじゃないですよね?ね? (2023年3月14日 10時) (レス) id: 60824d42a6 (このIDを非表示/違反報告)
琉依 - もう、作者様神ですか???こんな神作に出会えて本当に幸せです。今は類と夢主が幸せにしてるのを彰人が素直に祝福出来てないのも切ないし、失恋的な感じして最高です…。ツンデレが仇となって気持ちも伝えられなかったと考えると好き過ぎる…もう一回逝ってきますッ… (2023年2月14日 2時) (レス) @page45 id: 0de7de39c9 (このIDを非表示/違反報告)
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