Byいのしし侍。 ページ4
"_______すまん"
何度もその言葉を頭の中で繰り返して涙を流す。
放課後になってからずっとそれしかしてない。
私は今日、想い人だった天馬 司くんに告白した。
一目惚れだった。ショーでキラキラ輝いている彼に、夢中になって。目を奪われて。
それが恋だって気づくのに、時間はかからなかった。
彼を好きになって半年ほど経った今、思い立って告白したわけだけど。
「分かってたはずなのになぁ」
また視界が涙で滲む。そろそろ帰らないとお母さんに怒られるかもしれないけど、どうしても動く気にはならなかった。
「A」
聞き覚えのある声がした。たった1人の、大切な親友の声が。
「・・・類」
類は私を見て、帰ろうとも泣き止めとも言わず、そっと隣に座った。
「類、ここ屋外だから汚いよ」
「Aだって一緒だろう。僕は君の真似をしているだけだよ」
いつもより何倍も穏やかな声で、類は私に話しかける。
何だかすごく安心して、また涙が溢れてきた。
「あのね、類」
「うん」
「今日ね、天馬くんに告白して」
「うん」
「それでね、振られちゃったの」
「うん」
「・・・わかってた、はずなのにっ・・・」
「・・・すごく、悲しくて」
「・・・うん、よく頑張ったね、A」
膝を抱えて泣き喚く私を止めず、類は優しく頷きながら隣にいてくれた。
・・・駄目だな、昔からずっと。
類には、弱いの。
なんか、類がいると、安心して・・・・・
「・・・A?」
(すごく泣いていたようだし、疲れて寝てしまったのかな)
「・・・・・・好きだよ」
(本当に、僕は弱いな。君に直接言う事が出来ない)
「・・・いつになったら、君は気づいてくれるかな」
(まぁ、鈍感な君のことだし、気づかないだろうけれど)
「こんな弱い僕でも、君を想わせてほしい」
(今はただ、それだけで)
「・・・・・・好きだよ、本当に」
優しい、口付け。
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