友達の友達【青柳冬弥】 (ページ10)

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友達の友達9 ページ10

｢脚立は確か、この辺りに・・・｣

あ、あった。よかった、無事に見つけることが出来て。

脚立を見つけたことに安堵し、脚立を片手に彼女のいるところを探す。

基、この図書室はそんなに広い方ではないため、すぐに見つかったのだが。

どうやら椅子に座って本を読んでいたらしい。

｢Aさん｣

俺が苗字を呼ぶと、彼女は本を読む手を止めて此方を向いた。

｢これ、脚立です｣

｢ああ、すみません。ありがとうございます｣

立ち上がって脚立を受け取ろうとする彼女。

｢あ、ここに置いておきますよ。今は使わないでしょうし、これ結構重いので｣

俺がそう言うと、彼女は｢・・・ありがとうございます｣とお礼を告げてくれた。

｢いえ。使用時は怪我に気をつけてお使い下さい。使い終わった場合は、俺を呼んでください｣

運ぶのは大変だろうし、今日図書室には俺と彼女しかいない。なら。呼んでもらう方が良いだろう。

｢わかりました。ありがとうございます｣

お辞儀をしたあと、椅子に座り本を読み始める彼女。

・・・この本は、表紙だけ見たことがあるな。

今度読んでみるとしよう。