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友達の友達16 ページ17
「ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ、急に変なことを言ってすみませんでした」
駅に着いて、折り畳み傘を片しながら彼女と会話する。
彼女の方に傘を寄せていたせいか、自分の方が濡れてしまって少し肌寒い。
だが、俺の家は駅からそんなに遠くはないから、これくらいなら我慢出来るだろう。
ずぶ濡れじゃないだけまし、と自分に言い聞かせていると。
「青柳さん、これ」
「え」
ス、と彼女が俺の目の前にハンカチを差し出してきた。
「えっと」
「青柳さん、私のせいで肩濡れてるでしょ？傘のお礼、というか、これくらいはするべきと言うか」
少しはにかみながら、彼女はそう言った。
・・・気づいていたのか。
いつから気づいていたのか、とか、何故気付いたのか、とか今はどうでもよかった。
ただ単に。
「・・・ありがとう、ございます」
とても、嬉しかったんだ。
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