微睡みゆらゆら海香り (ページ43)

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弐捨　甘すぎるホイップクリームページ43

≪…という事なんだが、どうだろう？一緒にやってくれないかな？≫

私は作戦の一部だけを子供たちに話した
母親が自分たちを、妹弟を見てくれるかもしれない
そう伝えればもうこの子たちの目には迷いはなかった

少し危ない橋を渡らせることになってしまうし、最悪の場合悪化させてしまう可能性だってある
まぁ、その場合は記憶を曇らせるだけだからいいが
上手くいくかは運と私たちの頑張り次第
結果は神のみぞ知る…忌々しい言葉だ

「姉さん、メリエンダの時ママと一緒にお菓子を為べればいいだけなの？」

≪そうだよ。なるべくいっぱい話しかけてママと楽しい時間を過ごしておいで≫

此処では１日に数回間食をする
メリエンダはスペイン語で間食…まぁ此処ではお菓子以外出ないんだがね
思考を除いた限りだが、アレは基本善人だ
愛情も知っているし、与える方法だって知っている
だが、どうしても両親に捨てられ、慕っていた人間を喰ってしまった経験は人格を歪ませてしまった
全ては持ちすぎた力のせい
わがままは暴れれば通ってしまったからまともに怒られた経験もない
愛情を強請ってもそれは恐怖が見え隠れするものか利益を優先したものか
仲間だって自分に怯え、逃げることもあるし、すぐに死んでしまう
裏切られるのが怖い、置いていかれるのが怖い
だから血の繋がった家族を異様に欲しがるし、他者を信用しようとしない

同情すら覚えた

だが、だからと言って子供は愛するべきだ
今のあの子達には血の繋がった親の愛情が必要なんだ

少しだけ教育するだけだ
何も私は悪い事なんてしていない
……いやしたわ
アレの記憶と感情少し弄ってるわ

まぁ良いか