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目が覚めても場所は変わっていないようだった
あんなに雲もない晴れた空だったのに今は哀愁漂う夕暮れの色を纏い、空を漂っている
だいぶ時間は経ったはずなのに怪我は完治していない
いまだ腕に第二の心臓が出来たと錯覚してしまいそうなほど脈打っているし、傷口とその付近の腕は血管のような黒いモノの線が浮き出ている
いや…さも当たり前のように言っているけど、こんなの始めてみた
私の回復能力が早くなったのはこの子達のの存在が大きい
体内に入ってから例え肩から先が吹き飛ぼうと数日経たずに全回復するようになった
だからこそ気味が悪い
何故回復しない？
呪いやそういった類が掛かっているナイフではなかった
刺したところも生命活動に問題はないはずだ
此処までの痛みは本当に久しぶりで、痛みを耐える方法を忘れてしまった
痛い
それだけじゃない 熱くて 寒くて 苦しくて
とてもでは無いが、こんなのを治るまでずっとなんて耐えられない
いっその事切り落としてしまおうか
…いや、刺しただけでこれだ
下手に切り落としたらそれこそ取り返しがつかないし、もっと痛い可能性が高い
顔を地面に擦り付け、脂汗を流しているなんて、本家の奴らに知られたらお笑い種だ
傷のせいか情緒が不安定になっている
息は荒くなるし、涙が溢れてきた
何とかしなければ…
此処は無人島のようだし、人に助けてもらうのは不可能
手当するにも今回は私持ち物ないし動けない
…お手上げだ
せめて痛み止めか酒があればいいのに
現実逃避したい
夢だけど
腕だけでこれか
このままこちらの世界の私の体が壊れたらちょっと洒落にならないくらい大変な事になりそうな気がする
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作者名：ぽにょぺにょん | 作成日時：2021年10月10日 18時
