ビー玉の正体 ページ21
〜ura side〜
「なぁ坂田、さっきAにあげてたビー玉って、あれさ…」
リビングに残った俺ら二人は何をするでもなくソファに座っていた。
「あれ？うらたさん気づいてたん？」
Aが熱で寝込んでいた間、坂田は1人部屋にこもって何かを作っていた。
こっそり覗いたら、赤くて透明の丸いモノに何かを仕込んでいた。
「…あいつに、何するつもりだよ」
「俺な、決めてんねん。Aを俺しか見れんようにするって。あのビー玉にな、盗聴器入ってんねんで。それで、まずはAの行動パターンを知ろうと思ってんねん」
驚きを隠せない俺を置いてきぼりに、坂田はつらつらと話を進める。
頭をフル回転させて次の言葉を続けた。
「あいつの事、好きなのかよ」
「……初めてやねん。ここがな、ぎゅーって苦しくなるんよ。でも時々甘くて、ふわふわすんねん。Aが笑ったとこも、Aの血も、全部全部俺だけのにしたいから」
胸の辺りをぎゅっと握りながら頬を赤く染めていた。
昔から、気に入ったモノへの執着は人一倍激しかった。
そんな坂田は、「せやからな、」と続けた。
「うらたさんにも、まーしぃにもセンラにも、Aは絶対渡さへん」
殺気の混じったその瞳はしっかりと俺を見据えていた。
なんて返せばいいのかわからない。
こんな時、あいつなら……
つい、そう考えてしまう。
“取ったりしないから、安心しろ”
口から出すのは簡単だ。
でも、本当にそれを守れる？
守れない約束なんてしたくなかった。
親友に嘘をつきたくない、というのもあったけど、もっと別の理由がある気がした。
「あ、さかたんとたぬきさんじゃん。なにしてるの？」
リビングに話題の人物が顔を覗かせた。
瞬間、鋭かった坂田の瞳が嬉しそうに輝いた。
「Aはどないしたん？」
「お部屋にいたんだけど、暇になっちゃって」
「じゃあ俺となんかしよーや！」
「いいけど、なにするの？」
「んー……あー……と、トランプ！(?)」
「お、いいねぇ。たぬきさんもやろ、」
坂田と、目が合った。
親友なら、応援するのが妥当だろう。
「俺は、いい」
ぽかんとした表情のAの横を通り過ぎて自室に向かった。
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ての(プロフ) - Naoさん» ありがとうございます！頑張りますね、！ (2019年11月21日 22時) (
レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - 今までのアルバムのソロ曲の歌詞が出てきて、その歌詞のおかげでどんな状態なのかもよくわかって、すごく読みやすいし、面白いです！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年11月21日 16時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - ミトさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 23時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
ミト - 初コメ失礼します。 読んでいて、すごく面白かったです!続き楽しみにしてます。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: d0ac5e5cac (このIDを非表示/違反報告)
ての(プロフ) - Naoさん» 気づいて頂けて嬉しいです、ありがとうございます！ (2019年11月18日 22時) (レス) id: 8747774e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作成日時：2019年11月17日 21時
