ダンス（白） (ページ46)

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次の日の学校でラウに話しかけようとすると、きれいにスルーされた。

向こうが気付いてないだけなのかなと思ったが、スルーされたのが何回もあったので、これは意識してやられていると思った。

私何かラウに悪いことしたかな？

自分がしたことを思い出すが何が原因なのか全く分からない。

だからラウに直接、無理矢理でも聞こうと思った。

昼休みにラウの元へ向かう。

ラウは身長が大きいからものすごく目立つ。

とても見つけやすかった。

私(ラウ！)

ラウは一瞬こっちを振り向いたがきれいに無視する。

私(ちょっと待って！)

私は走ってラウの手を取りそのまま屋上へ走った。

ラウール(いきなり何ですか？)

私(そっちこそ何なの？話しかけようとしたのに無視して。)

ラウール(何で僕が先輩のことを無視してるのか分からないんですか？)

私(考えたけど分からなかったから、ラウに直接聞こうと思って。だけどまた無視されたから無理矢理連れてきた。)

ラウール(はぁ。)

ラウはため息をついた。

初めてラウのあんな表情を見た。

ラウール(先輩、無自覚なんですか？)

私(無自覚？)

ラウール(もうこんなに言っても分からないんですね。じゃあ言います。文化祭でハグしてたあの男の人は誰ですか？)

私(男の人？)

男の人と言われ考えてみる。

思い出した、岩本先生だ。

私が勢いで岩本先生に抱きついていたのをラウは見ていたんだ。

私(違う！その人は・・)

急いで否定をしようと思ったが、岩本先生の話をすれば私に肺に後遺症が残っていることを、ラウに話すことになる。

交通事故の事もだ。

それだけは避けたかった。

ラウに心配をかけたく無かった。

ラウール(その人は・・何ですか？その続きを知りたいんですけど。)

私(違う！そういう関係じゃなくて・・。あの人は・・。えぇーっと・・)

なんて答えたらいいか分からなくて言葉が詰まってしまう。

ラウール(分かりました。答えられないんですね。もういいです。今までありがとうございました。)

ラウはそう言って屋上を出て行ってしまった。

「ちょっと待って」と引き止められるほど、私にはもう強い気持ちがなかった。

私はラウとの思い出の屋上で、一人で立ち尽くしていた。