ダンス（白） (ページ41)

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水族館をあとにして私たちは、また電車に乗っていた。

どうやらラウはもう一つ行きたい場所があるらしく、誘導してくれている。

ちなみにさっき、抱きしめられたので私の体はすっかり温まっていた。

私(次はどこ行くの？)

　
ラウール(内緒です。あっ！この駅です。降りましょう。)

どうやら目的の駅に着いたらしい。

駅からしばらく歩くと、大きな広場のようなものがあった。

私(ラウ、ここ？)

ラウール(はい、そうです。ここの広場です。この広場の奥に、ロープウェイがあるらしくてそれに乗れたらいいなぁと思いまして。どうですか？)

私(めっちゃ嬉しい！私、ロープウェイ乗るの初めて！)

ラウール(本当ですか？良かった！実は僕もロープウェイは始めてなんです。じゃあ一緒に楽しみましょう！)

私(うん！)

ラウは私のためにこんなにも豪華なプランを考えてくれた。

それだけで、とても嬉しくなる。

この広場のロープウェイは、広場を一周することが出来るらしい。

ロープウェイのデザインがかわいくて「早く乗りたい！」という気持ちになる。

スタッフ(次の方どうぞー。)

スタッフさんにそう言われ、私たちはロープウェイに乗った。

私(うわぁ！きれい！)

ロープウェイからの景色は、広場一面を見渡すことが出来て最高の景色だった。

ラウール(めちゃくちゃ高いですね！楽しい！)

初めての体験だったのでとても新鮮だった。

ラウール(A先輩、ちょっといいですか？)

私(なに？)

突然ラウにそう言われて不思議に思う。

ラウール(じゃじゃーん！)

そう言ってラウが取り出したのはかわいい袋。

何かを包んでいるっぽい。

ラウール(お誕生日、おめでとうございます！)

ラウはその袋を私に渡してくれた。

私(えっ！)

そうだ。

今日は私の誕生日だ。

すっかり忘れていた。

私はラウに言われて思い出したのだ。

ラウール(A先輩、今日お誕生日ですよね？)

私(うん！ってか何で知ってるの？)

ラウール(A先輩にメッセージを送ろうと思ったら今日が誕生日だって知ったので。せっかくならお祝いしようと思いまして。)

私(ありがとう！)

人にお祝いしてもらえるということが素直に嬉しかった。