ダンス（白） (ページ39)

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私(うぅ〜。寒いぃ〜〜〜。)

ラウール(大丈夫ですか、先輩？)

なぜ私がこうなっているのかというと、それを説明するには４０分ほど前にさかのぼる・・・

〜４０分前〜

ラウール(次、何見ます？)

私(そうだねぇ。何にしようか？)

私たちは何を見るか相談しながら歩いていた。

すると・・・

スタッフ(もうそろそろでこの水族館の名物のイルカショーが始まります！席はあと少しです！お早めにどうぞー！)

という声が聞こえた。

これは行くしかない。

私たちはイルカショーを見ることにした。

この水族館のイルカショーは入る時に、座る席を指定されるシステムらしくチケットを見てみると、なんと一番前の席だったのだ。

私(えぇっ！一番前じゃん。)

ラウール(ですね。特等席ですよ！)

と最初は私たちも浮かれていた。

そして始まったイルカショー。

最初はオットセイが目の前で芸を披露してくれた。

距離が本当に近く楽しかった。

そしてクライマックスのイルカショー。

イルカが飼育員さんに連れられて出てくる。

一番前の席なだけあって、イルカの迫力がすごかった。

飼育員さん(それでは、パチャパチャタイムです！みなさん準備はいいですかー？！)

私(パチャパチャタイム？)

周りの人はみんな、ビニールシートを持ってスタンバイをしている。

ラウール(これって濡れるやつですよね？)

私(やばっ！私たち、なんも用意してないよ！)

公演時間ギリギリで入った私たちが、ビニールシートなんて持っているはずがない。

飼育員(それでは行っきまーす！)

飼育員さんがそう言うと、イルカがこっちに向かってきた。

そして、しっぽを出してバシャバシャしてきた。

パチャパチャタイムと飼育員さんは言っていたが、私たちにとってはバッシャバッシャだった。

私(ヤバいっ！ラウ！濡れちゃう！)

ラウール(先輩！大丈夫ですか？！)

そう言ってラウは私のことをかばい、覆いかぶさってくれているが一番前なので何をしても濡れてしまう。

それで今、私は寒がっているのだ。