ダンス（白） (ページ25)

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私(あっあっあっありがとう。)

ラウに体を引き寄せられたままなので、緊張してうまく声が出ない。

ラウール(体、大丈夫ですか？)

私(うん。ラウのおかげでなんともないよ。)

ラウール(なら良かったです。)

そこからしばらく無言が続いた。

とても気まずい。

この前のことラウに謝って、自分の気持ちを伝えようと決めたではないか。

そう自分を奮い立たせる。

謝ろうと私は口を開いた。

だが、そう思ったのは私だけではなかったらしい。

　私(ごめんなさい！)
ラウール(ごめんなさい！)

ラウと声が揃った。

これにはお互い苦笑い。

だが雰囲気が少しだけ和らいだ気がした。

ラウール(僕からいいですか？)

私(うん。いいよ。)

ラウから話すらしい。

ラウール(本当にあの時はすいませんでした。)

私(私こそ急に逃げてごめん。)

ラウール(僕、理性を抑えられませんでした。男として失格です。)

ラウの声は震えていた。

それくらい本気だという事が伝わった。

ラウール(僕、A先輩のことが好きなんです。もう、信じられないくらい。花火を見てる時もA先輩のことを見つめてしまうし、家に帰ってもA先輩の顔が頭から離れないし。本当に大好きなんです！)

私(えっ。)

ラウの言葉にびっくりする。

ラウール(本当にこの前のことは反省してます。そういう関係でもないのに・・・。A先輩の気持ちを全く考えないで、行動してました。本当にごめんなさい。)

ラウは目に涙を溜めてそう言ってくれる。

その気持ちに答えたいと思った。

私(私こそごめんね。私、恋愛をした事がないからそういう事が分からなくて。テンパっちゃった。でも、あの後家に帰って、自分の唇を触ってみてラウの温もりを感じたの。すごいドキドキして、こんな気持ち初めてで。戸惑ったけど、全然、嫌な気持ちじゃなかったんだよね。)

信じられないくらい言葉がスラスラ出た。