脱出不可能 ページ19
「いつまでって……そりゃいつまでだろうな。ま、ルピーのデートが終わってから考えるとするさ。ところでガキンチョ、お前さっきから何してんだ？」
『私はガキじゃない！……蔦を編んでロープを作ってるの。イカダ作りに必要だから』
「イカダぁ？やっぱお前遭難してんじゃねえか」
『うっ……たしかに遭難なんだろうけど…。私、遭難する前の記憶がないから……』
遭難というよりは、生まれた場所がジャングルだった、という認識が私の中では正しい。母親の手紙を読んでもその時のことは思い出せなかったので、生まれ変わった私とその前の私は別人なんだろう。
まぁ異世界転生ってそういうもんだしな、とあまり気にはとめていないが。
リゲルは私の言葉を聞いて、にんまりと挑発的な笑みを浮かべた。
「ははーん。なるほどな。お前さん、捨てられたんだろ」
『知らないよそんなこと。捨てられたとしても親に興味なんてないし！』
「だが、お前さんの親もひでぇもんだな。こんな�牋梁腓覆觜厦��畍緘召粒い法∋匐ー里討襪覆鵑董�
え、と休みなく動いていた手が止まった。今この人、なんて言った……？
どこからともなく生まれた寒気が背筋を凍らせる。そういう推測自体は、前々から頭の中にありはした。
だが、今なら分かる。不幸体質とやらは、こういう時だからこそ発揮されるのだと。
『……ここ、�牋梁腓覆觜厦��瓩慮緘召粒い覆痢帖帖�』
「ん？おう、そうだが？」
はい終わったーー！！！無人島脱出の希望が今絶たれたー！後半の海に航海術なしでイカダに乗って？エルバフを目指す？なんだその自滅行為は！！自分から死にに行くようなもんじゃねえか！！
なんの前触れもなく襲ってきた絶望が心の中を満たす。私はこの島から永遠に出ることは出来ないと、そう突きつけられた気分だった。
「どうしたガキンチョ。顔色悪いぞ？」
『……なんだ……イカダ作りは、無駄だったんだ………』
「え？何言って────」
ぐらりと視界が歪む。目を見開いてこちらを見つめるリゲルを最後に、私の意識は途切れた。
「！こりゃひでぇ熱だ！」
リゲルは少女の額に手を当てて、そこから伝わる熱さに息を飲む。まるで熱したフライパンの様な熱さだった。
リゲルは少女を抱えると、急いで日陰がある付近の洞窟へと運び、それから自分が着ていた緑のコートを着せてやる。
こんなもので応急処置になるかは分からないが、今はただ、この少女が心配で仕方なかった。
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AG2(プロフ) - うぇさん» ありがとうございます！可哀想は可愛いの裏返しですからね❤︎ (2022年8月30日 13時) (
レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - 主人公…、強く生きろよ…いや好きですけど好き！！！ (2022年8月29日 17時) (レス) @page49 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ニアさん» ありがとうございます！やっぱり幸せなだけじゃ物足りないですよね^ ^これからもじゃんじゃん不幸にしていきます！！ (2022年8月24日 7時) (レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
ニア - これは主人公が幸せになろうとする度に不幸が襲ってくるパターンのタイプだ……リゲルが死んだところでちょっと泣いちゃった...とても面白くて読みやすい小説でした！！！ (2022年8月23日 23時) (レス) id: 6103ddda9f (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - おこげさん» ありがとうございます！これからもどんどん主人公を可哀想な目に合わせていきます！頑張ります！ (2022年8月18日 10時) (レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハラマゲオ | 作成日時：2022年8月6日 23時
