マジで何の役に立つの？ ページ16
手のひらの上でだらりと伸びる赤い紐を呆然と眺め、私は全身の空気を入れ替えるように息をする。
今何が起こったのか、頭の中で順を追うが、脳に酸素が回ってないせいで朦朧とする。
「ウキッ？」
『大丈夫だよ……。なんなんだ、一体……』
そういえば、この紐は�狎弧神��瓩伐鮴發気譴討い拭�
生命線……生命線ね……。つまりどういうことだってばよ……。あまりの困惑に私の中の似非ナ〇トがが出てきてしまった。
紐を引っ張ったり結んだりしてみるが、先程のような異常は起こらない。ただの真っ赤な紐だ。SM嬢の鞭みたいに真っ赤な色だ。
さっきのはただの気のせいなんだろうか。そう考えている時、ずっと私の足元にいた猿公が急に肩に上ってきた。
『うわ、なんだよ急に……』
猿公は軽々と私の肩に乗り上がると、赤い紐に手を伸ばす。この紐がそんなに気に入っているのか。
さっきみたいなことが起こるのは怖いが、猿公が持つことで何か変わるかもしれない、と私は猿公の手に紐を委ねてみることにした。
すると猿公が紐を握り締めた瞬間、さっきよりは軽いが、キュッと喉を掴まれるような感覚になった。猿公がまた別のところを掴めば、それに応じるように掴まれる感覚は足や手首に変わる。
(もしかして────)
この紐、私の体と連動してんのか？
そんな仮説が立ち、先程と同様私は猿公から紐を引ったくる。やはり自分で持つ分には何も起こらない。
いやいやいや、自分の体と連動してる紐って、え？？何それ何の役に立つの？？恋人とかに「私だと思って……」とかいってマジで自分と連動してる贈るのか？重いだろ！！
紐をまた奪われて怒る猿公は無視して、革のスーツケースに手紙と紐をしまうと、そのままその上に腰を下ろす。
こんなもん安心して外に出せるわけないだろバカヤロー。連動してるってことは、あの紐が切れたりしたら私の首も飛ぶってことだろ？
マジでなんのための紐なん……？
「ウキャッ！ウキキャッ！」
『猿公、お前にこれは渡せん。ごめんな。お前に渡したら私死んじゃうから』
そう伝えると、猿公はぷりぷりと怒ったまま森の中へと帰っていった。もう行っちゃうのか、と僅かに寂しくなる。
だが、希望は見えてきた。
不幸体質はいまだ気がかりだが、とにかく明日からは無人島脱出を目標に、イカダ作りを始めることにしよう。どうやって作るかは皆目見当もついていないが……。
その日は果物も、幾分か美味しく感じた。
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AG2(プロフ) - うぇさん» ありがとうございます！可哀想は可愛いの裏返しですからね❤︎ (2022年8月30日 13時) (
レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - 主人公…、強く生きろよ…いや好きですけど好き！！！ (2022年8月29日 17時) (レス) @page49 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - ニアさん» ありがとうございます！やっぱり幸せなだけじゃ物足りないですよね^ ^これからもじゃんじゃん不幸にしていきます！！ (2022年8月24日 7時) (レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
ニア - これは主人公が幸せになろうとする度に不幸が襲ってくるパターンのタイプだ……リゲルが死んだところでちょっと泣いちゃった...とても面白くて読みやすい小説でした！！！ (2022年8月23日 23時) (レス) id: 6103ddda9f (このIDを非表示/違反報告)
AG2(プロフ) - おこげさん» ありがとうございます！これからもどんどん主人公を可哀想な目に合わせていきます！頑張ります！ (2022年8月18日 10時) (レス) id: 824802fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハラマゲオ | 作成日時：2022年8月6日 23時
