▽ ページ39
「というかさ、久々にしの見た気がするわ」
「あー確かに、おひさだね」
このぐちつぼとかいうやつとはよく会うが、らっでぃとリアルで会うのは久々な気がする。
いや、気がするだけで会ってるのかもしれないけれど。俺の記憶力は基本当てにならない。
それにしてもさー、とらっでぃが俺を指差した。
「残念イケメンって感じだよね」
「……え? 悪口だよねそれ」
一瞬言葉に騙されそうになったが、間違いなく悪口だよな、それ。
イケメンはまあいい、残念ってなんだ残念って。一言余計だぞお前。
「それで言ったらぐちもらっでぃもそうだろ」
お前らも残念イケメンじゃん、と二人を指差す。
この顔面からあの声が出てくるのが本当に信じられない。
「褒め言葉じゃん」
「ポジティブすぎんか」
「つまりこの三人は残念な人間ってことか」
その場が静まり返る。ああ、それは言ってはいけない言葉だ。
「せめてイケメンでありたかった……」
「肉でも食って元気出せよ?」
「それ俺のお金……」
肉を焼いては食べては、としていると、ふとスマホの通知音がなった。
あー、Twitterの通知か。なんて考えながらポケットに戻そうとしたとき。
「……あ、Twitterに投稿するの忘れてた」
「え、おっそ」
そういえばTwitterに写真でもあげようかと思っていたのだった。普通に話すのが楽しくて忘れていた。
はーいおててだしてー、と三人の手を並べて、上から写真を撮る。
「こうやって集まるのも、たまにはいいね」
「しのはもっと参加して」
「仕事が忙しくてスケジュールがなかなか合わない」
本当は俺だってもっと参加したい。みんなと仲良くしたいし、ずっと話していたい。
でも、実況者ではない仕事があるせいでなかなか合わせられないのだ。
俺に合わせてもらうのもなんだか申し訳なくてできない。
「そんなの言ってくれたらいいのに」
「……迷惑かけたくない」
「なんなら仕事やめようぜ」
「それはあり」
はあー、とため息をつく。やだなあ、みんなと遊べないのは。
置いていかれるような気がして、俺だけ遠くにいるような気がして。
「みんなしのと遊びたいのにね」
「俺と?」
「え、みんな言ってるよ。『しのも参加してほしいねー?』って」
「……ふーん」
「嬉しそうだな」
うるさい、と隣にいるぐちを殴る。
いつか、参加できたらいいな。もっと、みんなと遊べたらいいな。
「今日の分は俺が払ったげる」
「らっでぃ……!」
みんなといると、楽しい。
166人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クライン(プロフ) - 白木。さん» ホワ……!!「コンプラ違反系実況者」読ませていただいております……まさかコメントいただけますとは、嬉しいです……(昇天)すこっていただけて本当に嬉しいです、のんびり更新していきますのでゆるーく応援よろしくお願いいたします…………!!! (2022年12月24日 23時) (レス) id: 2e57063caa (このIDを非表示/違反報告)
白木。(プロフ) - ……すこです。もう一度言います。すこです(重用) (2022年12月24日 20時) (レス) id: 93794ffb29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ