【実ｼ兄者】(多分)黄色(？)の彼女(仮)の実況者(笑)

ナイトメア ページ26

久々に悪夢を見た。
……いや、悪夢はよく見る。悪夢というか、昔毎日のように見た悪夢。



「ごめんね、もう疲れちゃった」



そう言って、篠崎が青空に飛び込んでいく悪夢。
飛び込んだ後は知らない。下を見たことはないし、見ることができたとしても、そんな勇気はない。
だけど、なんとなく分かっていた。篠崎が飛び込んだ理由。その後どうなるのかも。



「大丈夫だよ、もう元気！ 今の俺に怖いものはないよ！」



あいつは、我慢ばかりしていた。


この悪夢は、篠崎が実況者として走り出した頃に、よく見ていた。
その頃の篠崎は不安定で、現実で起こってしまわないかと、心配だった。
現実に起こることはなかったから大丈夫だったけれど、今はどうだろうか。
篠崎が離れていくことが、寂しい。苦しい。

「篠崎……」

どこにも、行かないで。離れていかないで。
俺の大切な、友達。


まだ時間も早いので、もう一度寝てスッキリさせることにした。
きっと、こんな夢を見たのは、たまたまだ。
終わりだと、信じさせてくれ。

悪夢を、終わらせてくれ。




「大好きだよ」

「さようなら」




悪夢は、廻る。

気づかないふり→←影

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す