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episode7 ページ8

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直哉様の様子に変化が現れたのは部屋に入ってすぐだ。

部屋に入って一歩、二歩ほど歩くと、ふらふらとその場にしゃがみこんだ。



(珍しいな……)



いくら私しかいないとはいえ、基本的に彼は人前でこんな姿は見せない。よほど、といこうことだろう。


「お冷を持ってまいります」


先程と同じように彼の後ろに膝をついた。主よりも高い視線でものを言うのはちょっとマズい。

とりあえず早くお冷とタオルを持ってこようと立ち上がろうとしたら、彼の手に腕を掴まれた。



「いらん」


ごく短く、だがかなり鋭い言葉だった。

ピシャリ、とこちらの行動を封じるように言われた言葉。どうすればいいのか分からず、私はもう一度膝をついた。




「Aは綺麗やんなあ」
「……?ありがとうございます…?」


こちらを振り返って、腕を掴んでいた手を離し、私の頬に触れた。


(…えーっと………この状況はどういう?)



「さっきもあのジジイどもAのこと好き勝手言ってたんやで?Aは俺のやのに『良い娘』やとか『上玉』とか、な?挙句の果てには『紹介しろ』って。自分の息子と俺のAを見合いさせたいとか言い出すんよ?Aが他の男のものになるとか絶対にありえへんのに」



ここで私は確信する。

直哉様絶対酔ってる。しかもかなり。風邪をひいた時みたいに少し赤い、なにより発言がいつもの感じじゃない。


というか声がいつもの数倍な甘くなってる。


ほえー。直哉様って酔うとこんなに甘えた声になるですねー。と場違いな感想を抱きかけるが、そうじゃない。



この状況危なくね?と気づいた頃には多分遅かった。





「直哉様、これ以上のお戯れは……」
「“お戯れ”……?」



私の頬を撫でていた手が急に顎を掴んだ。



「先に部屋に誘ったのはAのほうやろ?」





そして私は思い出した。



(そういやこの人あまり女癖が………)



この先の展開を予測して、私は青くなる。


待て待て待て。それはまずい。さすがにそれはまずい。ちょっと待ってよ私まだ───────




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あい - めちゃめちゃ読んでて楽しかったです!!応援してます! (11月16日 19時) (レス) @page15 id: a6639cd8da (このIDを非表示/違反報告)
jやよ - これからの展開に想像しながら、更新待ってます! (2023年1月3日 10時) (レス) id: 7c8c23da7c (このIDを非表示/違反報告)
名無しの中学生 - 最初から読みました続き楽しみに待っています! (2022年3月7日 18時) (レス) id: 2f57e3c309 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - 初めから読みました!!めっちゃ続きが気になります!!更新頑張ってください! (2021年5月24日 15時) (レス) id: 61644e4b7a (このIDを非表示/違反報告)
かめきち - 神ですか?一回読んだだけで大好きです!応援してます (2021年5月6日 22時) (レス) id: d0a08c8863 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:皐月 | 作成日時:2021年2月27日 19時

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