Pretty you ４

妹の恋(WN) ページ26

ノックをして部屋に入ると、帰ってきたままの格好で呆然と立ち尽くすA。こんな表情、俺は今まで見たことがない。

「大丈夫か…？」

肩を揺するとようやく俺の方に視線をよこした。その瞳は泣いてはいないが澱んでいて哀しみに満ちている。

A「…隠すって決めてたんだ。ハニヒョンにも、自分にも。この気持ちはなかったことにしようって…きっと気付かれたら困らせるから…」

思ったままに話すA、内容が纏まっていなくてイマイチ掴めない…

A「弟のままでいようって決めたのに…そしたらずっと一緒にいれると思ったから…だから、平気なはずなのに…自分で自分の気持ちを隠したのに、言葉にしたら…本人に言ってしまったら、こんなに痛いなんて…」

「A、何があったの？」

「もっと奥に隠さなきゃ…」そう言って俯いてしまったマンネはとても小さくか弱く見える。本当に何があったんだ…。

.

一旦リビングに戻ると「Aは？」と心配そうにディノが寄ってきた。

「ちょっと落ち込んでる…何があったか知ってる？」

メンバーからことの顛末を聞いて衝撃を受けた。まさかヒョンがいる所で「恋愛対象外だ」と言ってしまうなんて…。しかも、みんな誤解している。Aはハニヒョンを怒らせたと思って落ち込んでるんじゃない。でもAの気持ちは俺しか知らなくて、ここで説明するわけにもいかない。Aにも、ヒョンはお前を好きだとも言えない…さて、どうするか…

.

「A、気持ち隠すのやめよう」

俺はAの所に戻って提案した。

「ヒョンが1番お前にされたくないことってなんだと思う？」

A「…嘘と、隠し事」

「今Aはどっちもハニヒョンにしちゃってるだろ？それ知っちゃったらヒョンどう思うかな。傷つくんじゃない？」

お互いに誤解してるなら、誤解させたまま解決するしかない。俺は妹に味方すると約束したから、俺なりに導いてやりたい。

「それに、お前がお前自身に嘘ついてることが、1番ヒョンを傷つけると思うんだ。ヒョンはAらしくいて欲しいって思うはずだよ？」

A「…ヒョンたちの迷惑になる」

「ならないよ。Aは俺が恋して悩んでたら迷惑か？」

フルフルと顔を横に振って否定してくれる、俺たちも同じだとわかって欲しい。

「だろう？ヒョンには男をあしらえなかったことだけ謝ればいい。あとは黙って、もう自分に嘘付かなければそれでいいから」

自分に正直になって…笑っていいんだよ…

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