アイノチカラ

絶えない気苦労(JS) ページ21

「そろそろ教えてくれてもいいんじゃない？」

SC「へ？」

「…僕に隠せると思ってるの？」

SC「…」

黙った。つまり図星ということだ。
ここ最近、僕の親友の1人であるチェスンチョルはソワソワしている。事務所に行けばキョロキョロキョロキョロ…。

「社内恋愛は大変だと思うよ？」

SC「…ハニだって社内…」

「アレは例外」

ハニとマンネはそもそも僕らの家族だ。同じ時間を共有するのは当たり前で、caratから疑われることはない(むしろ「もっと一緒にいてよ」とリクエストが来るくらいだ)。

「それに、コク次長は強敵だと思うよ」

SC「は⁉︎おまっ…なん…」

「ちゃんと言葉発してくれる？…あのさ、君を見てたら分かるって。次長を見つけた時の君、しっぽブンブン振ってる子犬みたいだよ」

SC「そんなミンギュみたいな例えヤダ…」

だってそう見えるんだもん。声掛けずに“待て”の姿勢でずーっと彼女を見つめて、話しかけられなかったら「くぅ〜ん…」って鳴き声まで聞こえてきそう。

「でも…今まで恋愛とは違うみたいだね」

SC「そうかな…うん、そうかも」

「おや、自覚あるんだ？」

SC「今まで出会った誰とも違うんだ。放っておけないし、追いかけたいし、こっち見てほしいし…」

驚いたぁ…あの恋愛受身体質だったスンチョリが「追いかけたい」だなんて…。

「君、そんなに構ってちゃんだったの？」

SC「俺だって初めて知ったよ…」


*****

事務所の通路で…ウジがコク次長と会話している。

SC「ウジとだと楽しそう…」

「え…どこが？」

彼女、いつもと同じ無表情だけど？

SC「わかんないだろ？いいんだ、そのまま分からずいてくれ」

「意味不明なんだけど」

SC「あれは楽しい時の顔なんだ」

…サッパリわかんない。どこをどう見たらアレ楽しそうなのか。

SC「俺には話しかけてくれないのに…」

「いや、ウジから話しかけに行ってたし」

SC「『調子狂う』『優しくしないで』なんて言われたら話しかけらんないよ…」

caratちゃん、今の彼を見ないで下さい。ステージのカッコ良さが1mmも存在してない、しょぼくれた子犬なんで。

SC「いいなぁ…」

JH「どした？」

SC「うわぁっ！」

突然現れたイタズラ天使ジョンハンに驚いて大声をあげてしまったスンチョリに、少し先にいる彼女も気が付いたようだ。こちらを訝しげな視線を投げてきている。

SC「脅かすなよ！」

JH「え〜いつものことじゃん。なぁジス？w」

やれやれ…統括の恋路は前途多難かも…

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