妖怪の彼女は種族を越えて愛される<四聖獣編>

☆ ページ18

ピリリリリ！





だが、それは口に出す前に霊界コンパクトの呼び出し音に遮られた。





幽助は手の平大のそれを開くと、ぼたんと何か会話をする。





ぼたん「キャァアアッ！」





幽助「どうした！？

ぼたん！」





『幽助、それ貸せ！』





すると、突然コンパクトの向こうからぼたんの悲鳴が聞こえ、悠香はコンパクトを渡すように幽助に促す。





しかし幽助も動揺しているのか、中々悠香にコンパクトを渡さない。





『…幽助！』





幽助「お、おう！」





悠香が再度幽助に呼び掛けると、幽助はハッとして悠香にコンパクトを渡した。





画面を見ると、ぼたんは密室に閉じこもり、木でできたその扉を魔界虫に取り憑かれた人間が殴り、破ろうとしている。





『ぼたん…っ！』





友人のピンチに、悠香はコンパクトの画面に手を翳す。





すると、ドアを破っていた人間は突然意識を失い、その場へ倒れた。





グァアアアア！！





『じゃーぼたん、またな！』





ホッとしたのも束の間。





悠香は地を這うような唸り声を聞き、コンパクトを閉じて幽助に返した。





桑原「何だ？

この世のモノとは思えねぇ雄叫びは！？」





グラグラと地面が揺れるほどの雄叫びに、驚きの声を上げる桑原。





天井にはヒビが入り、細かな埃がパラパラと降り注ぐ。





蔵馬「…白虎の雄叫びだ。

彼は相当ご機嫌斜めの様だ」





幽助「行くぞ！」





幽助の合図で、5人は一斉に駆け出した。





それと同時にどんどん崩れて無くなって行く天井は、5人を潰そうとせんばかりにその勢いを増して行く。





雄叫びに導かれるように走る5人。





悠香が一番足の遅い桑原が埋もれないように気を付けながら走っていると、やがて螺旋階段の先に光が見え、5人は外へと出た。













明けましておめでとうございます。


今年もよろしくお願いします

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す