おっさん緩和剤【ハコヅメ】 (ページ1)

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第一話ページ1

山田side

「ねー、空いてるデスクどこ？」

山田「はい？」

それは昼下がりのある日。
聞き覚えがあるようでないような、いや、あるような声で話しかけられ振り返ると、積み上がったダンボールが眼前を塞いだ。

「前見えないけど、何となく山田でしょ。ねー、デスクどこ！」

「あのぅ…どちらさんでしょうか」

「覚えてないの？」

そう言って積み上がったダンボールからひょっこり顔を出した人物を見て、俺は卒倒しそうになった。

山田「A…」

源「やまだー、飯食いに行こうじぇ…」

意気揚々に俺の肩を叩いた源先輩もその人物を見て固まり、サーっと青ざめていく。

そういえば、今朝、北条係長が言っていた。
牧高の負担軽減、及び藤の後任、及びおっさん緩和剤として女性警察官がこの捜一に配属されることになったと。

まさか、

「私、ここの課に配属になったの」

ですよね。

山田「あ、デスクはこちらです。俺…の隣でふ」

「え、なんで？」

山田「いや、俺に聞かれても」

不機嫌そうな彼女を今朝方用意した新しい机に案内し、湧き出てくる疑問に蓋をして俺は源先輩に泣きついた。

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