FAIRY TAIL 〔緑〕 (ページ24)

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24. side S. ページ24

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“…ありがとう、翔太”

この一言に、Aが思ってること全部詰まってそうで
意を決して抱き寄せたはずのAを、簡単に離してしまいそうだった

「ごめんなさい、私…好きな人がいるの」

翔『 ……うん、』

「ありがとう、伝えてくれて」

ちょっとだけ震えてるAの声に
思わず腕を離す

翔『なんでAが泣くの』

「 …なんにもない、」

翔『なんも変わってないよ、ごめんな、困らせて』

「うん…ありがとう」

Aらしい。
真っ直ぐに受け止めてくれるところも、
素直に顔に出ちゃうところも。

これで、俺たちは晴れて“友達同士”になれた

まぁ、下心がないのかって言われると、
それはちょっと、まだ忘れられそうにないけど。

翔『あーあ、ほんと、とんだお花畑ちゃんだな、お前は』

「 …もっと言い方あるでしょ。」

翔『はは、可愛いって言いたかった』

「な、にやめてよ、急に… 」

翔『なんか、今の方がすんなり言えるわ』

『怖いもの無しって感じ』

「前まで私が怖かったみたいじゃない」

一限諦めよ〜、なんてベンチに座り込むA
ムスッとほっぺを膨らませて俺を見る

翔『可愛いよ、前からずっと』

「やめてってば、」

翔『 …いつ言うの？あいつに』

「 …うーん、どうしよう」

翔『え、ノープラン？』

へへ、と笑うA

あー、俺のためにその顔してほしかったな
俺のために悩んでほしかったし、
俺と一緒に幸せになってほしかった

Aの方がしんどいと思うから
せめて笑いで締めようと思ったのに

微かに滲んでいく視界

「 …翔太？」

翔『ん？』

「どうしたの、黙って… 、」

翔『 …幸せにな』

精一杯の強気
精一杯の男らしさ

精一杯の下心を隠した俺

友達の、これからを願う

……悔しいな、

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