考えなくて、いいところ だてめめ ページ48
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おうち時間のお供に、なんてタイトルで
次々と順位付けされていく小説たち
蓮『 このランキング、何基準なんだろ 』
涼『 そういう深いこと考える人が、見るものじゃないんじゃない? 』
隣で綺麗な脚を組みながら、
リモコン片手にボソッと呟く蓮は
たまにこういうことを、考えなくていい所まで考える
確かに、それらしい理由をつけてるけど
“面白い”と思う基準は人それぞれだから
売上カウントではないこのランキングは、
必要の無い人の方も多いだろう
俺も蓮も、必要ない側。
蓮『 確かに 』
涼『 蓮っぽいけどね 』
蓮『 あはは、そう? 』
何か他やってるかなぁ、なんて番組表を開いた蓮が
小さく、あ、と声を漏らす
涼『 ん? 』
蓮『 この本、面白かったやつ 』
涼『 …珍しいね、本読むなんて 』
タイトルに聞き馴染みがあったのか、
その本が紹介されるとすぐに番組表を閉じた
シンプルなのに目を引く色使い
やけに長く、声に出して読みたくなるようなタイトル
この本は、俺にも見覚えがある。
蓮『 あー、うん、ちょっと時間あって 』
勝手に声に出したくせに濁す蓮
素直なんだが、そうじゃないんだか。
阿部が最近読み終えたと話していた本
蓮のカバンに入ってるのを、たまたま見つけた
最近やけに感じる阿部の匂いは、
一体どこからしたのか、なんて
テレビのオススメには首を傾げた蓮が
あいつのオススメに目を輝かせ、時間を費やした理由なんて
それはきっと、考えなくていいところ。
考えちゃ、いけないところ。
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作者名:rui | 作成日時:2021年1月16日 10時