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大『 …座ろ、目黒くん 』
砂なんてお構い無しに座り込む佐久間くん
隣に座ると、あのねぇ、と口を開いた
大『 俺ね、実は、目黒くんがウチ…店に遊びに来てくれる度に、他のスタッフに茶化されてたの 』
『 あの子、佐久間目当てじゃない?って 』
蓮『 …そうなんだ 』
大『 正直、俺目当てってなんだよ、って感じだったなぁ 』
蓮『 ははっ、確かに 』
大『 でもね、ちょっと嬉しかった 』
蓮『 え? 』
大『 俺に会いに来てるっぽいあの子、今日は来ないのかな〜 』
『 なーんて考えてたら、急にその子から連絡先貰って、変にドキドキしたりして 』
『 その子が勉強頑張ってるって知って、
俺もちょっとだけ、珈琲のこと勉強したりしちゃって 』
蓮『 珈琲の勉強? 』
大『 店、開けたらいいなぁ、なんて 』
蓮『 え!すごい! 』
大『 まだ!まだだよ!全然! 』
『 ちょっと!目黒くん相槌上手すぎ!話ズレちゃう! 』
蓮『 俺のせい? 』
なんだか恥ずかしそうに
だって、と口を尖らす佐久間くんは
チラッと俺を見て、こほんと体勢を直した
大『 好きだよ、目黒くん 』
直ぐに変わる表情に着いて行けなくて
クラゲに刺されたみたいに、心臓が痛くなった
蓮『 急…だね、 』
大『 ごめん、分かんなくなりそうだった 』
蓮『 ううん、慣れていく 』
大『 うん、お願い 』
少しだけ小さい手を取って
甲を親指で撫でると、ギュッと力を込めてくれる
連絡先を渡したあの日の俺は、信じてくれないだろうな。
俺らは“お客さんと店員”じゃなくて
“好きな人”の立場になったなんて
これからは、カフェエプロンを脱いだ君と
蓮『 俺も、好き 』
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作者名:rui | 作成日時:2021年1月16日 10時